大菩薩嶺クラシックルートを歩く

更新日: 2024-02-23 21:36
山梨県の山100名山
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山行日: 2023年7月17日

かなり暑くなってきまして、低山はもう限界。標高の高いところに行きたい…と切なる願いをかなえるべく、山梨県は大菩薩嶺に登ってきました。

大菩薩嶺は深田久弥の100名山に名を連ねる人気の山です。上日川峠から短時間で開けた稜線に出ることができ、ガスってなければ富士山が望めるという眺望の良さも魅力。

私が登山を始めるとき、一番最初に登る山は景色がよいところ!絶対条件だ!と思い大菩薩嶺に登ろうか計画を立てていたのですが、当時住んでいたところからは若干遠く、大菩薩嶺は諦めて横瀬丸山に登ったという経緯があります。
それ以来良い機会が見つけられず、今まで一度も登っていなかったのですが、今回良い機会なので登りに行くことに。

大菩薩嶺は首都圏から在来線を乗り継いで日帰り登山が可能、ではあるのですが、それでも起床は午前5時前でした。

どうやら大菩薩嶺は
  1. 上日川峠から唐松尾根を歩いて雷岩に出て
  2. そこから大菩薩嶺山頂までピストン
  3. 雷岩から大菩薩峠まで歩いて上日川峠に戻ってくる
という周回ルートが人気の模様。ただこのコースはお手軽過ぎて、些か私には物足りないように思える。
折角午前5時に起床して、片道3時間かけて登山口まで行くんだから、もっと登りがいのあるルートを…!と思い、裂石にある大菩薩峠登山口バス停から丸川峠まで登り、大菩薩峠、熊沢山、石丸峠と歩いて上日川峠を経由し、大菩薩峠登山口バス停まで戻ってくる周回コースを計画しました。

が、当日歩いてみると、丸川峠に至る登りがやたらにきつい。大菩薩峠に着いた頃には計画より遅れ気味。
これから熊沢山登ってたらさらに遅れてしまう…!という気持ちから、無念の計画変更、大菩薩峠から上日川峠に下山することにしました。

塩山駅で下車したあと、バスで大菩薩峠登山口バス停まで。祝日で快晴だったので、バスに乗る人はかなり多いのではないか、と思っていましたが、登山者が10人程度、そのうち大菩薩峠登山口バス停で降りたのは私込み4人と、登りはじめから寂しい状態。


予定では左下の登山口から時計回りにぐるっと一周する予定でした。結局上日川峠からバスに乗って帰っちゃったんだけど。


恐らく奥に見える山が大菩薩嶺でしょう。登山口は快晴ですが、山頂あたりは少しガスっているような気配があります。


炎天下のなか歩くこと15分、駐車場に到着しました。
私の前後を歩いていた登山者はいつの間にか姿を消し、その後現れることはありませんでした。一体どこへ行ってしまったのか。

この駐車場奥から林道に入り、その林道の奥に登山道があります。


ここは指導標通り丸川峠方面の矢印へ、少し下るような形の道を歩きます。


早速岩岩。まだ標高は全くあがっていないのですが、沢沿いのためか、やたらに冷たい風が吹いています。


最初の渡渉ポイント。
舗装路がずっと続いているのですが、なぜかバキバキに破壊されています。昔は車が通ってたんじゃないかな。なんでこんなにバキバキなのかわからないけど。


ここから登山道です。登山道に入った後は指導標とか特にない一本道(ただ迷いやすそうなところには進入禁止のロープが張ってある)なんですが、登山道に入るまでは親切設計です。


登山道に入って丸川峠までは延々と急登が続きます。
本当にいい加減にしてくれ…と言わんばかりのきつさでした。
標高があがるにつれて岩が増えてくるんですが、特に目立った危険個所はない道です。


写真じゃ全く伝わらないこのきつさ。


標高1500mあたりの登りが一番しんどい。この写真がどのあたりだったかはあんまり覚えてない。


デカい岩を超えて少し登るといよいよ傾斜が緩みます。
ここから丸川山荘まではあの急登が嘘だったかのような歩きやすいなだらかな道が続きます。


ようやく大菩薩嶺っぽくなってきた。


登り始めて約2時間、丸川山荘に到着。


コーヒーを出してくれるらしい。


バイオトイレもあり。トイレットペーパーは要持参。


歩いてきた道を振り返って、夏だー!という感じがする景色。
入道雲が空を支配するようになると夏だなあ~と思いますね。


既に計画から遅れ始めているので、休憩もほどほどに大菩薩嶺山頂に向かいます。


良い天気だ。もう何も言うまい。
この写真は、計画とかまあいいか、山を楽しもうじゃないか、と地面に座って行動食のソイジョイを食べていた時に撮った1枚です。


丸川峠から大菩薩嶺までは、途中崩落している箇所もあるものの、全体的に歩きやすい道です。
なお、この崩落地点では、高巻く道があるのでご安心を。


苔むしてる感じが如何にも高山という感じ。
いつもの杉林じゃないのも良い。


歩いていたらどうも登山靴から外れて迷子になったソールを見つけました。
噂では聞いたことがありましたが、本当に登山靴から外れて放置されているソールを見るのは初めてです。なかなか感慨深い。


ヒーヒー言いながら登っていくと、いよいよ大菩薩嶺山頂。もう少しだ~~


大菩薩嶺山頂に到着しました。が、木に囲まれているので景色は全くと言っていいほどないです。
そして誰もいない、ハエがたかってくるのみ。
写真をとったらすぐに雷岩に向かいます。


本当に何もないのよ。


丸川峠から約1時間、雷岩に到着。

丸川峠から大菩薩嶺までの道はほとんど人とすれ違わない(まあ8~10人くらいすれ違った気がする)一人歩きでしたが、雷岩まで来てみると大勢の登山者がランチ休憩をとっていました。
大菩薩嶺、本当に人気なのか説があったのですが、やっぱ人気の山だったわ。


景色を撮るぞー!と思い岩に登ってみましたがガスっていて景色らしいものはあんまり撮れませんでした。


本当はこの向こうに富士山が見えるはずなんだけどな…。
まあ仕方ない、こういう日もある。


岩の上に座ってご飯を食べたらすぐに大菩薩峠に向かいます。


本当はあの向こうに富士山が・・・(略




今から歩く稜線もガスっている・・・。


と思っていたらガスが取れてきました。


賽の河原の避難小屋に到着。いたるところにケルンがあって、異様な雰囲気。


小ピークを越えると介山荘が見えてきました。


介山荘に到着。


大菩薩峠。この写真よく見る気がする。


こっちは奥多摩方面。ガスってて山は見えません。残念・・・。


軽食がいろいろ、大菩薩嶺グッズいろいろ。


山Tシャツはいつも惹かれるけど、Tシャツ結構持ってるから…


この先が熊沢山。右に折れると上日川峠への下山路。
まあ帰宅が夜になってもよければ、ここで計画通り熊沢山に特攻するのもよかったんですが、翌日仕事だしな…と思って早期帰宅を選択しました。


帰りの道は極めて歩きやすい道です。高速道路というか、もはや滑走路と言っていい。14時発のバスに間に合うかな~トイレも行きたいんだよな~と思っていたんですが、余裕でした。


勝縁荘。閉業っぽい雰囲気。


富士見平荘だったかな、こっちも閉業していたと思う。


福ちゃん荘。ここは営業中。


公衆トイレもある。


ロッジ長兵衛。
多くの登山者がここで休憩していた。このロッジ長兵衛の前にバス停と公衆トイレがある。

下山はかなり歩きやすい道だったので、飛ばし気味に歩いたら15分以上余裕を持ってバスにのることができました。
バスはよくある路線バスの車体ではなく、一回り小型のバス。かなり混んでいて補助席も使って全員座って出発時点でほぼ満席(50~60人)。

やまと天目山温泉で20人くらい?降りて、ようやく空きが出来ましたが、そこまでの途中のバス停では、人をほとんど乗せられずでした。(臨時便が出るからそれに乗ってくれ、と言っていた気がする。)


今回初めて大菩薩嶺に登ったが、景色は残念ながらそれほど楽しめなかった。以前平標山に登った時もガスっていて景色が微妙な感じだったので、次登るときはなんとしてもガスっていない日を狙っていきたい。
上日川峠から周回するルートは人気で手軽ではあるものの、やはりアクセスに難があるように思う。というのも、人気が集中していてバスに乗れないリスクが一定数あるような…。

登山経験があってそこそこ体力がある人は塩山駅下車、裂石の大菩薩峠登山口バス停から丸川峠に登るルートはオススメ。こちらはバスで交通系ICが使えるのと、片道300円という運賃の安さが魅力。
丸川峠への急登の道も、下山に使った道に比べると変化に富んでいてより登山道らしく、山道を歩くのが好きな人には向いていると思う。