山行日: 2023年9月9日。
今回は馬頭刈尾根を歩いて大岳山に向かいます。
馬頭刈尾根は長く、アップダウンの多い尾根道でなかなかきつい。一番きついのは、景色が全くなかったこと。ただでさえ樹林帯の道が多く、眺望が期待できるわけでもないのですが、当日はガスがひどく、見晴らしの良いところに出ても一面真っ白。
「俺はなぜ、今日、こんな苦しい思いをして登っているんだ…」と修行のような山行になってしまいました。それでも大岳山山頂についてみると、歩きとおせた達成感があってなかなか悪くなかった。大岳山山頂もガスってて一面真っ白だったけど。
まだ暑さの残る9月上旬の山行で、虫も多いし見晴らしもないし、暑いしでとにかくきつかったですが、春秋の晴れた涼しい日に登るのがおススメです。まあどこの山もその季節は一番いいんですが。
途中、つづら岩の前後で二か所ほど簡単な岩場がある(道悪しの道標あり)んですが、雨で濡れていると本当に滑りそうで怖い。お助けロープもあるにはあるけど、数は少ないのと、木がそれほどガッシリと生えておらず、心もとない。晴れていれば通過は容易だったのではないかと思います。
なお、この記事執筆時点の2023年9月23日現在、
軍道バス停から光明山の区間は崩落により通行止めとなっています。
私はもともと軍道バス停から登る予定でしたが、急遽予定を変更し、荷田子バス停で下車後、しばらくアスファルトを歩き陸橋の下のあたりから登りました。瀬音の湯から登ることもできますが、1ピーク多く登ることになってしまうので、そこは体力と時間と相談かな。
荷田子バス停すぐ近くに公衆トイレがあります。公衆トイレだし個室は和式かな~と思って利用したら洋式でよかった。ただ明かりがなぜかつかないので、結構暗い。
ちなみに、 武蔵五日市駅から乗ったバスには他に登山者っぽい人が二人いましたが、荷田子バス停で降りたのは私だけ。
今回は大岳山まで一人かな~と思っていましたが、道中5人くらいとすれ違いまして、予想より意外と多かった。
とりあえず陸橋の下のあたりまで歩いて行って見る。事前に確認していないものの、おそらくこの辺りに登り口があるのではないか、という予想の上です。
なければ瀬音の湯あたりまで戻って登ればいいか~くらいの考え。
歩いていたらやはり登り口がありました。少し藪っぽい印象の登り口ですが、しっかりと整備されている印象を受けます。ここから登る人いるんでしょうかね?
あまり人が通っている雰囲気はないですが、道に使われている木はまだ新しい印象。整備自体はされているようです。
瀬音の湯方面からの道と合流したあとはひたすら高明山まで登り。道は明瞭で難所も特にありません。
真新しい道標。やっぱり整備されているんだ!と思うと何か安心。こういう如何にも人が歩かないだろうな~ってルートは、地図上は赤実線で道があるようになっていても結構荒れていたりとか、崩落していたりして怖い思いをする・・・こともある気がする。
尾根に出るとベンチ。配置がなんども独特ですが、ないより全然良いです。
まだまだ登りは続く。今日は長丁場なので、ゆっくりペースで登ります。
軍道バス停分岐は通行止め。
高明神社の鳥居。ここから先の道は、脇に祠がいくつかあったりします。
なお、高明神社自体は高明山山頂あたりに跡地があるだけとなっています。こんな立派な鳥居があるなんて、昔は参拝者も多かったのかな?
ガスが妙な雰囲気を醸し出していますが…。
ようやく高明山が見えてきました。といっても恐らくあれが高明山山頂の神社の鳥居だろうな~くらいですが。
高明神社跡地。
少し調べたら、
平成3年ごろに、参拝が大変だから麓に遷座したらしい。確かに参拝するためにこの山登るのはそこそこ辛いと思います。
神社跡の裏手から少し登ると山頂標がありました。すっかり朽ちてなんと書いてあるのか判別が際どいところですが…。
あたりを見回していたら、別の気に新しい山頂標が吊るされていた。
お次は馬頭刈山を目指します。早速きつそうな木段が・・・。
高明山は標高793m。一方の馬頭刈山は標高884m。約100mほど標高を上げる必要があります。
馬頭刈山への最後の登り。
途中展望スポットもありましたが、当然真っ白。
馬頭刈山に到着。山頂は少し広くベンチもいくつか。
木に囲まれていますが、このくらいなら、ガスってなければ景色は見えると思います。この日は何も見えなかったけど。
馬頭刈山から先は、最初は少し藪っぽい感じの道。雨の後だと葉っぱの水が体について何とも言えない気持ち。
ここは分岐。YAMAPだと左の道はないんですが、山と高原地図だと泉沢に降りる道のようです。巻道ではありませんよ。
このあたりから徐々に岩が増えてくる。ただまだ露岩があるだけで歩く分には何ら問題ありません。
急な坂道を登り終えると…
ようやく鶴脚山っぽいところに到着。ただここには山頂標がないので偽ピーク。本当のピークはこの先。
鶴脚山に到着。ここもガスってなければ見晴らしは良さそうです。完全に登る時期間違えてるわ。もっと涼しくなって空気が澄んだ頃に登るのが吉。
このあたりは道が細く、片側は急斜面なので気を付けましょう。
そして、このあたりで本日初めて登山者とすれ違う。
途中千足バス停に降りる道もあるものの、こっちはこっちでなかなか大変そうだ。なかなかの急斜面を下らないといけない。
ただ道自体は問題なく歩けるようです。私は歩いたことないけど。荷田子バス停から歩くのは少し長いので、このあたりから尾根に登って歩く人もいる模様。
岩が増えてきたぞ~
見晴らし台。
最初の道悪し道標。この先は少し岩場が続きます。あんまりこういうところは得意じゃないので、写真撮らずに通過したので写真はほぼなし。
まあ落ち着いていけば問題ないと思いますが、晴れた日のほうがいいと思いますよ。途中滑ったら結構転がり落ちていきそうだな~っというところもあるので。
ここはもう道悪し道標終わったところ。
このあたりまで来ればとりあえず安心。
これがつづら岩でしょうか。当日はロッククライミングをやられている方もいましたが、それはもう少し先。
あれ、道どこだ…と思ったら、左側にありました。馬頭刈山方面から歩いてくると、ここで尾根の東側から西側に道が変わります。
ロッククライミングしている人たちを横目に、歩いていくと倒木。これは振り返って撮影した写真ですが、ここの通過は難儀した。
上から通るには高さがあるし、下のスペースはそれほど広いわけではない。頑張ればザック背負ったままでもなんとかなりそうだけど、ちょっと辛かったので、ザックを下ろして手に持った状態でなんとか通過。
このあたりで二人の登山者とすれ違う。大岳山から降りてきたのかな?
次の道悪し道標。ただ、ここは前回の道悪し道標に比べるとかなり簡単です。岩場を登った先に急な鉄階段が二つあって終わり。
岩場も掴むところが結構あるので登りやすいです。
奥に見えるのが鉄階段。特に怖さはありません。
この道悪し道標で終わり。
しかしあの矢印、ここから先も道悪しだよ~的な感じに見えてしまうのは私だけでしょうか…。
露岩はまだ多いですが、それだけ。
とはいえ、尾根上をなぞるルートは岩っぽいようで、トラバースするような道が続きます。片側の斜面は結構急。すれ違いはあんまりしたくないかな~という感じ。
ここは左側に行く。
またまた岩っぽいけど、見た目だけ。通過は容易です。
そんなこんなで、一人でこえ~と言いながら、ようやく大怒田山に到着。
ここはベンチ・東屋多くてよかった。たぶん景色も良さそうだけど、まったく見えませんな…。
誰かいるかな?と思ったけど誰もおらず。
流石に疲れてきたので、ザックを下ろして行動食を食べる。前は一本満足バーを持ち歩いていたんですが、夏場はチョコが溶けそうなので、羊羹に。
井村屋のスポーツ羊羹を試して、いいじゃん!となったので、ネットでまとめ買いしたんですが、あれって登山店行かないと売ってないんですよね…。もっと近場で手に入らないかな~と思って最近はスーパーとかに売ってる普通の羊羹に落ち着きました。
それで羊羹ばっかり持って行ってたら、口の中が甘い甘い。もっと塩っ辛さが欲しいな、と思って新しい行動食を探しています。
あと、アミノバイタル アミノショットパーフェクトエネルギーも持ち歩くようになったのですが、効果のほどは正直よくわからない。ただゼリー飲料って食べやすくて良いです。
私の場合は、山行中は行動食以外ほとんど食べません。一応パンとかコンビニおにぎりを持って行くんですが、大体食べずに下山して、駅で電車待ってるときに食べたりします。
運動中ってなんか食欲がわかないんですよね。お腹減ったら流石に食べるけど。
ゼリーは食欲なくても食べれるので、明治の速攻元気ゼリーを持ち歩くことが増えた。あとはアミノバイタルパーフェクトエネルギー。
大怒田山以降はアップダウンも減ってなだらかな歩きやすい道が続きます。途中笹が茂っているところがあって、奥多摩こういうの多いよな~と思う。
奥武蔵だとあんまり笹が茂っているところは見ない気がする。
ここも展望スポットっぽいけど…。ここは「コ」の字型にベンチが配置されていて休憩適所です。
右が白倉に向かう道。
左が歩いてきた道。
大岳山までだいぶ近くまで来ました。
またベンチ。ここらへんは大岳山から下山で歩く人が多いんだろうな。
鋸山方面への分岐。大岳山を目指す場合は右側。
道を道なりに歩いていくと大岳山荘のところに出ます。
私は今回は大岳山に直登するので、途中の踏み跡で左に入り、尾根を歩く。
直登コースは最初は緩やかな斜面ですが、徐々に勾配があがる。
最後につら~い登り。ただ距離は短いので踏ん張りどころです。
途中岩っぽいところもあるけど、通過は容易。
このあたりで大岳山から下山してきた人とすれ違う。こんな天気でも大岳山って混んでるかな?と思って聞いてみたら、ぼちぼちらしい。うるさい女性のグループが一つ、あとはそこそこ、らしい。
大岳山人いるんだ、流石だな~と思いながらも登り続ける。
岩の左から出てくる。この時点で既に結構疲れている。最後の登りがとにかくつらい。
大岳山山頂。真っ白で何も見えない…。晴れていればこの先に富士山が見えるはずなんだが。
流石に山頂にはぼちぼち人がいる。10人ってところか。以前登った時は座るところもないほど人がいたけど、今日はかなり空いている。
大岳山から御岳山方面に下る。以前来た時はそれほど怖くなかったけど、今回は濡れていて滑りそうで少し怖い。慎重に足を置く場所を選んで下る。
人がほとんどいないので、早く下らないと~というプレッシャーはない。
大岳神社。前来た時はこのあたりは人が結構多かったんだけど、今日は4人くらいが座って駄弁っていただけ。
大岳山荘を抜けると、しばし岩場の区間。
人がいないので通過しやすくて良い。人が多いとすれ違いが本当に大変なんですよここは。
念のため、向こうから来る人に気づいてもらうように熊鈴を鳴らしておく。それにしても雨に濡れた岩ってなんでこんなに怖いんだろう。
前歩いたときは怖さはそんなになかったんだけど、この日は確かに怖さがある。滑ったらやべーぞ・・・と思いながら通過する。
どうせ人来ないだろ~と思って、向こうが見えない岩場に突っ込むワタクシ。そしたら向こうから歩いてくる人がいて、やっちまったわ…と思ったものの、向こうはまだ岩場の入り口だったので、事なきを得た。
岩場通過後。まだ危なそうなところはあるけど、ここらへんまで来ればなんてことない。
左が鍋割山。今回はロックガーデン経由で御岳山に向かうので直進。
このあたりを歩くのは初めてなんだけど、なんか荒れてねーか…と思う。
降りていくと綺麗な東屋があったので、ここで少しパンを食べる。しかしこの東屋は綺麗だった。ベンチの木板は張り替えたばかりなのかな、というくらいピカピカだった。
右側に行くとロックガーデンらしいけど、ガスりすぎてて何が何やらわからなさそうなので、素直に帰ることにする。
一応写真。ここは渡渉ポイントなんだけど、普通に渡れるくらいの水量だった。
七代の滝はまた今度見に行こう、天気の良い日に。
滝を見るとシャッタースピード遅くして写真を撮りたくなる不思議。
御岳山まで歩いていると途中で公衆トイレを見つけた。チラッと中が見えたけど、どうも水洗っぽい気がする。そして綺麗な洋式トイレっぽい。流石御岳山だ~。
ようやく御岳山。観光客は少しだけだけどいる。こんなガスってる日にわざわざ来なくても…と思わんでもない。
今回はケーブルカーで下山することにする。
ケーブルカーは交通系ICカードがあれば、切符を買わずにそのままタッチすれば乗車できる。便利になったもんや~。
前回来たときは歩いて麓まで降りて、御嶽山駅までバスに乗らず歩いたんだけど、その経験から言えることは、少なくとも駅まではバスに乗った方がいい、ということ。
ケーブルカー下バス停から御嶽山駅までは歩けないこともないんだけど、そこそこ車も通るし歩道がないから地味に危ない。
御岳山からケーブルカー下バス停までは、車道なので歩きやすくはあるんだけど、稀に車が走るのでそこだけ気を付ければ大丈夫かな。まあ一回歩いても良いと思うけど、見どころがあるような道ではないかな…。デカい杉が何本もあって面白いけど。