秋の石老山・嵐山を歩く

更新日: 2024-02-23 21:46
奥高尾
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山行日: 2023年10月28日

今回は以前より気になっていた石老山を歩きに行く。
 石老山は標高702mほどの低山であるが、関東100名山、日本100低山に選出されている山でお手軽登山が可能であるため、なかなか人気のある山らしい。

以前、藤野駅から陣馬山に登った際に、石老山らしき山が藤野駅から見えていて気になっていたのだが、今地図を改めてみるとあれは石老山ではなく日連山とか八坂山だったんじゃないか、と思う。山座同定って難しいですねえ…。

計画としては、相模湖駅からまずは嵐山に登り、そこから相模湖プレジャーフォレスト駐車場横の登山口へ。
そのまま、アスファルトを歩いて相模湖休養村キャンプ場近くの大明神展望台コースを登り、石老山山頂というルートをとる。
下山は、顕鏡寺コースを歩いてあとは相模湖駅まで歩くだけ。
約5時間のコンパクトな山行となった。


歩き始めは相模湖駅。ここから石老山登山口バス停までバスを使ってもよいが、嵐山は歩いてすぐそこなので往路・復路とも今回は歩き。
バスに乗らなくていいって気持ちが楽でいいわ~


駅の相模湖ふれあいパークから見える山が嵐山。標高約400mの低山。


今回は新しく購入したSIRIOのPF.302の試し履きも兼ねている。
今までは約2年ほど前に購入したモンベルのティトンブーツを履いていたのだが、アウトソールもアッパーもかなり痛んできたので、履き替え検討中。
最寄りの好日山荘でいくつか試し履きした感じ、SIRIOの靴はどれも私の足には気持ちよいほどフィットしていた。それでも、以前、別で買ったモンベルの登山靴は、歩くほどに靴擦れして踵の皮膚がペロペロになってしまうという現象にあっていたので、かなり慎重になっている。

全然関係ないけど、ティトンブーツを買った理由は登山を始める、というよりも、当時始めたミラーレス一眼カメラで鬼怒沼の景色を撮りにいきたい、というものだった。最寄りのモンベルで、店員さんにそう伝えたところ、「あなたはこれからいろんな山を歩くと思うから、ミドルカットのティトンブーツがおススメ」と言われ、それ以来登山にはまって今に至る。
なお、未だに鬼怒沼には行っていない。

ところで、ほとんどの山行が標高1000m程度の里山歩きをする私が、果たしてハイカットブーツなんて履いて良いんだろうか…?


そんなことを考えながら相模湖大橋を渡っていたが、当初の計画では写真に写っている向かいの相模ダムの堤防を歩く予定だった。この写真を撮っているときはそんなこと全く忘れているのであった。

ところで、駅からここに至るまでの間に国道20号、いわゆる甲州街道を通過する必要があるが、そこはかなり車の往来が激しいので要注意。


写真にも写っている通り、橋の上にバス停があるなんて珍しい。
こんなところでバス止まって大丈夫なの…?


ここで写真を撮って道を間違えていることに気づく。
地味にこのあたりは交通量があって横断歩道があるところ以外から渡るのは、運転手からブーイングの嵐になりそうな気がしたので、素直に戻って再びダムの堤防の上を歩くことになった。


ようやく嵐山の登山口に到着。
しかし道標には山頂までわずか0.8kmの文字。なんだか予想以上に速攻で山頂までつきそうだ。


登り始めは若干の急坂。
そういえば、以前、南高尾でヤマビルをみた、という山行記録を見たことがある。そのレポによると、津久井湖あたりの山だったようだが、そうなるとこの辺りも出てもおかしくないんじゃないかと思う。
地面は少し湿っていて落ち葉も積もっており、ヤマビルが潜むには絶好の環境のような気がする。

今日はヤマビル対策は全くしていないので、出来るだけ立ち止まらないように歩いていく。

どうでもいいけど、石老山って丹沢山地の山なんだろうか、南高尾なんだろうか。私は気持ち的には南高尾だよな~と思っていたんだけど…。


九十九折りの道を抜けると山頂まで続く直線の道に変わる。
緩やかな斜面を登っていくとそこはもう嵐山山頂。


思っていた以上に早く山頂まで着くことができた。大体登山口から20分程度ってところだろうか。
青空も見えていて気持ちいい。


標高は405.9m。


三角点あり。


何かのアンテナ施設。


山頂は広いものの、この時は誰もいなかった。ベンチは二つほどある。


嵐山からの下山は相模湖プレジャーフォレスト方面へ下ることにする。
この道は地味に長く、アップダウンのある登山道で、全体的に道は細く、いくつか橋桁のない木橋を渡る。
この木橋がたわんで地味に怖いのだが、私が歩いたときは橋が折れることはなかった(そりゃそうだ)。


しかし登りで使った登山道に比べると、こちらはなんだか荒れているような気もする。
道も狭いし、陽の光があまり当たらないからか、陰鬱な印象のある登山道だった。


とはいえ、道自体は整備されているようで、階段がかかっていたり、ぬかるんでいる場所では鉄板が置かれていたりと歩きやすくなっている。



しかし、そのうち通れなくなっても不思議じゃない感じの道が続く。



ここは流石に長さ的に橋桁ないと無理でしょ!と思ったが、鉄パイプで補強されており安心感のある橋だった。


そのうち、木に「危険 通行注意」と書かれた簡易看板があるのを見かけたが、危険個所はなかったように思う。もしかしたら橋のことを言っていたのかなあ。


ようやく相模湖プレジャーフォレストの駐車場に出てくる。
プレジャーフォレストからは大音量のBGMが流れていて、この後、石老山の登山口に向かうまでずっと音が聞こえていた。


朝っぱらからなかなかの人の入りですな。
プレジャーフォレストって人気なのかな。


登山道は樹木に覆われたトンネルのようで楽しい。中腰で進む。


樹木のトンネルを抜けると、そこにはお墓があった。右を見ると少しだけ相模湖が見える。あっちは恐らく藤野駅方面だろう。


目の前に広がるのが石老山。
ここからはしばしアスファルトを歩いて石老山の大明神展望台登山口を目指す。


そこそこ歩いて登山口に到着。
ここの手前のあたりで現地の方らしいおばさんとすれ違ったので挨拶をしたところ、「これから石老山登るの?頑張ってね!結構きついよ!」と言われた。
やっぱり現地の方は登ったことあるのかな、石老山…。


登山口の階段を登ると、そこには廃棄された炊飯器がお出迎え。
この炊飯器、私が家で使っているのと同じモデルの炊飯器ですよ。釜が軽くて洗いやすいんですよね…なんて言っている場合ではなく、粗大ゴミとして捨ててください、と山に投棄されたゴミを見るたびに思う。


少し急坂を登っていくと、鉄塔にたどり着く。鉄塔がある場所は木が切られているので見晴らしが良いことが多い。
ここも同様で、相模湖を挟んで陣馬高尾縦走路と思われる山並みを見ることができた。
相模湖の右の方にある山が先ほど登ってきた嵐山だな。山頂にアンテナらしい構造物が見える。

中央左寄りにあるのが孫山だろう。孫山からは明王峠に通じる道があり、そこで陣馬高尾縦走路に接続されている。
今日も陣馬高尾縦走路は人気だろうな。


もう11月になるというのに、空は夏のよう。
歩き始めは曇っていたけど、青空が広がって気持ちがいい。初めて登る山はこういう天気の良い日に登りたいものである。
初めて歩く登山道が、暗く陰鬱とした感じだと、山の印象が悪くなる気がする。


鉄塔を過ぎて少し行くと尾根に乗る。
このあたりで登山者二人とすれ違い、思ったよりも人がいるなあ、と思った。

ここから大明神展望台までは少しばかりの坂道だが、初っ端は岩の急坂である。
両サイドにロープが張られているので大したことはないが、こういうのは登りの方がだいぶ通過が楽だ。


大明神展望台に到着。大明神展望台登山口から約40分。
展望台と名乗るだけあって、相模湖方面になかなか見晴らしが良い。


このねん坂、というのがどこを指しているのかよくわからなかったが、展望台から約3分程度で大明神山に到着。
石老山まではあと1.4km。まあ30分も歩けば着くのではないか。


大明神山にはベンチと祠があるだけ。


石老山もすぐそこか~と思っていたが、歩き始めると思った以上にアップダウンがあり、なかなか石老山にはつかない。
途中露岩の坂道もあるものの、通過の難易度は低い。手を使うまでもなく歩けるくらいだ。


ピークを数個超えると、急に宝登山山頂直下の階段のようなものが現れる。
ここを登り切れば石老山なのだが、これが細かいアップダウンを歩いてきた足にこたえる。


石老山三角点に到着…。
ここだと標高は694mということになっているが、702mとするものもあって、どっちが正しいのかはわからない。
三角点は山頂標があるところよりだいぶ手前にあるので、山頂標があるあたりは702mなのかもしれない。


山頂はいくつもベンチがあり、登山者で賑わっていた。ちょうどお昼時だったので、昼食休憩をしている人が多かったのかもしれない。
しかし、こんなに登山者がいるとは…良い山じゃないか、石老山。
なお、石老山は良い山だったとしても、眺望はほんのわずかに樹間から丹沢方面が眺められるだけである。


石老山。ここでも標高は694mとなっている。702mってどこから出てきたんだろう?


写真奥の登山道から歩いてきた。空いているベンチがほとんどなかったのだが、ほかの登山者の横に場所を確保して、ようやく腰を下ろして軽く昼食を食べる。
今日はいよいよ涼しくなってきたので、パンだけでなくコンビニおにぎりも持ってきた。やっぱり米を食わなきゃやってられんですわな!

昼食を食べている間も、数人の登山者が到着する。
今日はどうやらシニアのグループ登山者が山頂を陣取っているらしく、ベンチがなかなかあかない。


昼食を食べ終えたら、身支度を整えて下山にかかる。
下山は顕鏡寺コースである。どうやらこのコースで登ってくる人が圧倒的に多いらしく、何人もの登山者とすれ違った。
相模湖駅からバスで石老山登山口入り口まで行くと、自然と近いこの登山道を登ることになるので、そのせいだろう。


樹間からまたしても景色が見えた。これは確か明王峠のあたりだったと思う(ハッキリ覚えてないので、あんまり当てにしないでほしい)。


途中崩落している箇所もあったが…。


登山道は綺麗に整備されていた。
どうも、少し前まではこの顕鏡寺コースはこの崩落により通行止めになっていたらしい。

顕鏡寺コースは、登りで使った大明神展望台コースよりもかなり綺麗に整備されているように感じる。道の歩きやすさが1~2段階上といった感じだ。


途中、融合平見晴台があったので、どんな景色が見れるかと少し寄り道したが…


木が伸びたせいか展望はそれほど。
展望は微妙だけど、融合平とはかっこいい名前じゃないか。


八方岩の方は見晴らしの良いところがあるようだが、なんとなく今回は桜道を歩くことにした。


桜道は八方岩よりも人気のなさを感じたのだが、終始道は歩きやすく、特別荒れている感じはなかった。


途中ハチの巣のようなものがあったが、炭になっていたので燃やして駆除されたのだろう。


桜道最大のポイントは、この展望台だろうと思う。



ここからは南高尾の山並みが見ることができる。しかし良い景色だ。桜道いいじゃないか。


この桜道、下りで使う時は展望台までは歩きやすい道なのだが、最後の最後、展望台から八方岩の道と合流する間が微妙に荒れ気味である。
なぜここだけこうなっているのかはわからないが、雑草が伸びて登山道までかなり浸食してきている。
とはいえ、道中にあった崩落個所にはしっかりとした木橋がかけられており、歩く分には特に問題ない。


すっかり雑草が繁茂して登山道にせり出している。


少し進んだあたりからも、南高尾の山並みが見て取れる。


登山道上で何かが跳ねたので、ビックリして地面をよく見たらガマガエルがいた。


しばらく見ていたが、後ろ足で器用に土をどけて潜っていった。
これからこのまま冬眠するんだろうか?私なら登山道横の地面は冬眠場所には選ばないな~


ようやく顕鏡寺までつく。ここには木が倒れた後があり、そのままとなっていた。


こういうのって御神木だったりしたんじゃないか、というくらい立派な太い木だった。
位置的にもお寺となんか関係ありそうですよね。


車道まで降りてきたら、不法投棄防止のためバリケートが出来ていた。


蛇木杉。これも立派な木だ。



顕鏡寺はところどころ修復中の模様。


石老山ってやっぱり霊峰だったりするのかな。まあお寺のこの感じからするに、霊峰で間違いないでしょう。そういえばどこかにそんなことが書いてあったような気もする。


帰りはアスファルトを歩いてもよいのだが、折角なので奇岩の道を歩く。
ここは文字通り変わった形の岩がゴロゴロとしている道なのだが、ぬかるんでいるところもあるので要注意。


うっかり踏みそうになったが、ここにもガマガエルがいた。
この格好でずっと固まっていたので、木の棒でつついて退散してもらった。


屏風岩。かなりデカい岩だ。



そのまま歩いていくと相模湖病院の駐車場に出てくる。


顕鏡寺の道は表参道ということだったらしい。


皇太子さま(天皇陛下)も登った石老山。今から約8年くらい前かな。
天皇陛下の登山好きは登山界隈では有名だ。


帰りに相模湖プレジャーフォレストに寄って汗を流して帰るのも良い…。こういうところって結構混むイメージがあるので、私はパスしたが。


行きに通った陸橋をくぐって相模湖駅まで帰る。


しばし相模湖の脇を通る。
意外と大型トラックが通るので少し緊張感のある道だった。
目の前には微妙に紅葉した嵐山。


ここからも嵐山に登れそうな雰囲気を感じる。恐らく古道か鉄塔巡視路なのではないかと思う。
また機会があったらここから歩いてみても面白いかもしれない。