紅葉の大菩薩嶺を歩く

更新日: 2024-02-23 21:47
山梨県の山100名山
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山行日: 2023年11月3日

今日はYAMAPでフォローしている方が大菩薩嶺から牛ノ寝通りを歩いて紅葉の景色を楽しんできた、ということで私も大菩薩嶺へ歩きに行くことにした。
前回大菩薩嶺に登ったのは、まだ暑い季節だったが、今回はすっかり秋めいて上日川峠のバス停周辺は色づいた木々で騒がしかった。

前回は塩山駅からバスに乗って大菩薩嶺登山口バス停で下車後、丸川峠まで登るクラシックルートだったのだが、あの道をまた歩くには少しインターバルが短すぎる。
そこで、今回は甲斐大和駅からバスに乗り、上日川峠まで。そこから唐松尾根を歩き、雷岩、稜線を歩いて介山荘、熊沢山、石丸峠と歩いて大菩薩嶺登山口バス停まで下ることにする。
本当は、石丸峠から牛ノ寝通りを歩いて小菅の湯に下山する予定だったのだが、スタートが遅れた影響で、無事日の入り前に下山できる自信がない。そこで、石丸峠から下山ルートを歩き、上日川峠を経由して、大菩薩嶺登山口バス停に下山することにする。

この時期の大菩薩嶺は相当な人気らしく、甲斐大和駅に朝の9時に着いた頃には既に登山者が大挙してバス待ちの列をなしていた。


下の図はGoogle Mapを基に、私がMSPaintで簡易に作成したものである。かなり下手くそなのは置いておいて、訴えたいことは列の長さである。
バス待ちの先頭から道路を一本隔てて列が分かれており、そこからさらにぐるっと駅を一周するくらいまで列は続いていた。
なお、これは私が30分程度待ち、ようやくバスに乗れた時に車窓から見えた列の最後尾なので、私が列に並んだ時からするともっと長かったはずだ。
ちなみに、バス待ちの列は山梨県警の警官により整理されており、3列になって並んでいた。バスは時刻表無視で、延々と上日川峠と甲斐大和駅をピストン運航しており、4台程度のバスが常時行き来していたと思う。

ところで、このバスなのだが、通常の路線バスサイズではなく、一回り小型のタイプであり、交通系ICは使用不可、ニコニコ現金決済のみであった。


ようやく上日川峠に着いたのが10時30分過ぎ。
駐車場は満杯、警備員が車の整理を行っており、駐車場はいっぱいなので、バスが通らない車道に路駐するように言っていた。


前回はガスっていて景色はそれほど楽しめなかったので今日はなかなか期待である。
しかしこの混雑具合、私は軽く引いているが、たまには大勢の登山者に囲まれて山を登るのも悪くない。お祭りみたいだ。


ロッジ長兵衛には大勢の登山者がいた。さぞ忙しかったのではないかと思う。


上日川峠周辺の紅葉はもう終わり。ほとんど葉が散っていて、稀に葉が残っている木があるくらい。


少し歩くと雷岩から介山荘に続く稜線が見える。今日は良い景色が期待できそうだ。


福ちゃん荘もこの通り。
老若男女大勢の登山者でごった返している。


こんなに大勢の登山者は久しぶりだ。と思ったけど、少し前に大倉尾根を歩いた時もこのくらい人はいたっけ。


福ちゃん荘の分岐から、唐松尾根を登っていくと、急坂のガレ場に出る。ここを登っていくと景色が開け、振り返ると日本のシンボル、ヤツがいた。
11月だがこの日は暑く、空気が少しモヤっとしている。そのせいか、富士山もモヤがかかったような写りだが、それでも良い景色だ。
この辺りでは、足を止め、しばし富士山を眺める登山者の姿も多かった。


唐松尾根はまだ続く。この登りが地味にきつい。


ようやく雷岩に到着。
既に大勢の登山者が昼食休憩をとっていた。


こっちは大菩薩嶺山頂へ至る道。山頂標から向こうは、苔むした登山道が丸川峠付近まで続く。


パノラマ写真で。
大菩薩嶺は、登山初心者をまず連れてくる山として定評があるが、納得である。この景色を簡単に楽しめるとあって人気なはずだ。


しばらく富士山写真が続く。


昼食に軽くパンを食べて、のんびり写真を撮っていたら、すっかり計画より遅れていることに気づき、慌てて大菩薩嶺を目指す。
介山荘から上日川峠に至る道は前回歩いていて雰囲気はわかっている。最悪、あの道を歩けばよいのだが、石丸峠の笹道もぜひ歩いてみたい。
そのためには、予定より遅れるわけにはいかないのだ。


しかしこのなだらかな稜線。美しい。


今回はあっという間に介山荘までついた。
この稜線歩きは一部ガレ場があるものの、割かしスムーズに歩けるため、その気になればあっという間に介山荘までついてしまう。


こっちは奥多摩方面。


介山荘前には、よく見る大菩薩峠の道標があるのだが、今回は写真はなし。撮るのを忘れていた。
このトイレ横の道が上日川峠に通じる道なのだが、今回はここはスキップして、熊沢山経由で石丸峠まで歩く。この道は幅広の舗装路みたいな道を歩いていくので、体力切れになっていても楽に下山できると思う。


石丸峠からは少しガレた道を歩くことになる。この道の雰囲気は丸川峠と大菩薩嶺山頂の間の道にどことなく似ている。
苔むした登山道といった感じで、なかなか気持ちがいい。

ただ、全体的になだらかな道で、石が多く、どこでも歩ける気がするのでどこを歩いてよいのかよくわからなかった。


熊沢山を越えると、石丸峠が見えてきた。
ここは笹に覆われた山肌を歩く道。こちらも雰囲気がとても良い。

そのうち、この稜線を歩いて滝子山まで歩いてみたいものだ。


石丸峠には思ったよりも登山者がいた。雷岩から大菩薩峠までの稜線の人出に比べると、かなり少なくなったが。
この時点で時刻は12時50分。小金沢山方面へ歩いていく登山者もいて、もしかしたら牛ノ寝通りを歩いていくのかもしれない。私も歩きたかったが、牛ノ寝通りは意外と長丁場だと思ったので、今回はここから上日川峠に下山する道を歩いていく。



振り返って熊沢山方面。笹が生い茂った道を降りてくる。
この景色も見事だ。


石丸峠から上日川峠まで歩く道は、しばし笹の斜面をトラバースするような道が続く。ここも南側は開けていて景色がよい。
この道は道は明瞭だが一か所だけ崩落しているところがあり、高巻く迂回路が出来ていた。


トラバース道をしばらく歩いていくと、すぐに樹林帯の道になる。


一度林道に出ると、そこから少し林道を歩いてまた登山道に戻る。ここまで来れば一気に高度を下げて、小屋平バス停はすぐそこだ。
わざわざ上日川峠まで行かずとも、小屋平バス停からバスに乗車して甲斐大和駅まで戻る手もあるのだが、上日川峠でバスが満車になるケースもあるので、確実にバスに乗りたい場合は上日川峠まで歩くのがよい。
小屋平バス停から上日川峠までは、少し距離はあるがなだらかな歩きやすい道が続く。


小屋平バス停に到着。ここから再び写真の方向へ登山道を歩いて上日川峠に向かう。


途中渡渉点があるのだが、慎重にいけば特に問題はないように思う。
この写真手前の分岐で、左側の道を行けば渡渉しやすいように石が固められた道を歩けるはず。
私は、なんだか行けそうだな~と思ったのでこのまま石を渡って渡渉した。


上日川峠直前にもう一度渡渉点があるが、ここは浅く、足を置ける石も少なくぬかるんでいる。


そんなこんなで上日川峠まで戻ってきた。ロッジ長兵衛で少し荷物を整え、ゼリー飲料を食べる。この時点で13時40分。
目の前には甲斐大和駅へのバスに登山者の列が出来ていた。ただ、駅からのバス待ちに比べると、全然短く、すぐにバスに乗ることができると思う。私は並ばなかったからわからんけど。

ロッジ長兵衛前のテント場には数張りのテントが張ってあった。ここでテント泊とは良いですねえ。私もテント泊したい。

このままバスに乗って帰ってもよいのだが、折角なので大菩薩嶺登山口バス停まで歩いていくことにする。その道はロッジ長兵衛の前を通り過ぎて、バスが通らない車道をほんの少しだけ歩いたところにある。


この道、一気に周囲に人がいなくなるのだが、紅葉が素晴らしい。
延々と紅葉の木々の下を歩いていく道だ。


これはすごいぞ!


牛ノ寝通りの紅葉は楽しめなかったけど、この道で紅葉を楽しめたので良かった。無事、大菩薩嶺で紅葉を楽しむという目標は達成だ。
尚、この道は岩場・痩せ尾根・ロープ・鎖等の危険個所はないが、急斜面を九十九折りで降りるようなところはあって、正直ちょっと緊張した。
というのも、こう紅葉が素晴らしいということは当然落ち葉も大量に落ちているわけで、うっかり落ち葉に足を取られて滑落でもしたら、まず無事では済まないのだ。
まあ、ゆっくり歩いていけば大丈夫だとは思う。あと、意外と歩いている人もいた。


この紅葉のトンネルはいつまで続くのだろうか。


林道っぽいところまで降りてきたら、もう下山したようなもんである。
ここからはのんびり大菩薩嶺登山口バス停まで歩けばよい。


アスファルトに繋がるところで仙谷茶屋が見えてきた。


これは柿かな?


この時点で14時30分。
思いのほか値段が安く、折角ここまで来たので、何かジュースでも飲もうかと思い、ドアを開けて声をかけてみたら、今日はもう食材がすべてなくなってしまい、店じまいとのことだった。
う~ん、残念。梅ジュースか桃ジュースが個人的にはとても気になっていたのだが…。


さらば千石茶屋。また大菩薩嶺に登る日まで…。


前回はここから丸川峠まで登ったのだった。
この道はきつい登りが続く道で、なかなかしんどかった。ただ静かな山歩きを楽しめたし、丸川峠から大菩薩嶺山頂までの苔むした登山道は趣があっていい。
危険個所はないが、標高があがると大きな岩が増えていく。鎖やロープがないと登れないほどではないので、体力と時間に余裕があるなら是非歩いてみて欲しい。

ここから15時発のバスに間に合うために、走りながらバス停まで向かった。
結局5分以上余裕を持ってバス停に着いたので良かったが…。