丹沢・大山を歩く

更新日: 2024-02-23 21:49
丹沢
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山行日: 2023年12月3日

今回は久しぶりの丹沢、初めての大山に登る。
丹沢は眺望の優れた山が多く、関東でも非常に人気のある山域なのだが、難点も多く敬遠しがちであった。
難点というのは、有名なのはヤマビルだけど、公共交通機関登山勢として見逃せないのが登山口までのバスが異常に混むのである。
2023年の4月に初めて塔ノ岳に表尾根経由で登ろうと、秦野駅からヤビツ峠行のバスに乗った際は3台目の臨時バスになんとか乗れたのだ。それでもまだバスは寿司詰めに近い状態だったし、乗れてない人もいた。
正直、あんなすし詰めバスに何度も乗っていたら命が何個あっても足らない。

そういうわけで、私としては丹沢は敬遠していたのだ。
とはいえである。丹沢の山には登りたい。圧倒的な見晴らしはハイカーを魅了してやまないのだ。

そこで考えたのが、蓑毛バス停から登る大山である。
ヤビツ峠行のバスも、蓑毛バス停には止まるのだが、秦野駅発のバスには蓑毛バス停行きのバスがある。このバスは非常に空いているので、楽々登山口に到着することが可能なのだ。

というわけで、今回は蓑毛バス停から登る大山登山となった。


こちらが蓑毛バス停。右に見えるログハウス風の建物が公衆トイレ。
男子便所には個室が二つあって、どちらも洋式便座だが、便座は冷たいので着尻の時はそれなりに覚悟がいる。
トイレの扉の鍵を閉めるのにコツがいることもあって、出来れば駅のトイレで用は済ませておきたいところだ。


バス停から見える沢沿いの舗装路をしばらく歩いていくと、神社っぽい建物が見えてくる。登山口はその脇にある。


登山口からしばらく歩くと早速林道に出る。ここで向かいの登山道へ。


この道、序盤は幅広のよく整備された道で非常に歩きやすい。斜度も緩やかで、思っていたより楽だな~なんて考えていた。


またまた林道に出る。
これは振り返って撮影した写真。奥のガードレールの継ぎ目から出てきて、写真撮影地点の登山口に入る。


またまた林道に突き当たる。
ここは写真左から出てきて、写真右のゲートの脇をすり抜けていく。
ゲートの脇をすり抜けて少し歩くと、登山道に入るポイントがある。

大山は、奥多摩の御岳山みたくケーブルカーがあって、それを使って登る人が非常に多い。
なので、歩く人の少ない登山道は、整備もおざなりなのでは、と少し思っていたのだが、実際歩いてみると全体的によく整備されており、道標もあってかなり歩きやすい部類だと思う。


ゲートから少し歩くと道標があって、また登山道に入る。


九十九折りの急坂を登っていくと、蓑毛越との分岐に出る。
写真左奥に登っていくと、大山山頂方面である。
右側の幅広の道は蓑毛越に繋がる道だろう。

ここまでの道は、比較的幅広の道で歩きやすかった。樹林帯の道なので、見晴らしとかは一切ない。


急坂を登っていくと、写真の崩落地のようなところに出る。
今回のコースで唯一の危険個所がこれだ。左側は急斜面で、道が細くなっているところは崩落しているのか切れ落ちている。
手前の木が若干邪魔なのだが、落ち着いて通れば問題なく通過できる。
逆に言うと、今回のコースで危険個所はこれくらいしかない。他は全体的にとても整備されていて歩きやすい道だ。

ここを通過するのが嫌だ、という場合は、先ほどの分岐で蓑毛越まで歩いて尾根を登るというのもいいかもしれない。少し遠回りだけど。


急坂を登りきると、お地蔵さん。
ここから斜度が緩む。
この先はまた細い急斜面につけられたトラバース道となり、その先に木板の道がある。


木板の道に到着。
しばらくなだらかな道を歩いていく。


ケーブルカー駅との分岐点。ここを曲がっていけばケーブルカー駅に着くはず…。
大山に登る場合はここを真っすぐ進んで坂を登っていく。

ケーブルカーで大山に登る人はこっちにはまず来ない。下山中、ここで軽くご飯を食べていたときに、ソロの女性登山者がケーブルカー方面から歩いてきて大山に登っていったのを見ただけだった。


分岐からしばらく九十九折りの道を登っていくと、ケーブルカー駅方面との合流点に出る。
ここまでの道で危険個所はないが、合流地点の手前あたりは大きな岩がゴロゴロしている。鎖場とかがあるわけではなく、手を使えば通過は容易であった。

ここからケーブルカーで登ってきた人も合流して一気に登山者の数が増える。


しばらく岩の目立つ坂を登っていくと鳥居が見えてくる。いよいよ山頂が近い。
樹林帯だった道から、少しずつ青空が見え始め、道中には2~3か所、見晴らしがよいところもある。


神社関連の建物だろうか。
奥に見える階段を登ればもう山頂標のある見晴台である。


階段を登ったところ。左側に茶屋があって、登山者で賑わっていた。
軽食もここで食べれるらしい。
山頂付近にはモノレールのレールがあったので、てっきりそれで荷物を持ち上げているのかな、と思ったら今も歩荷が健在なんだとか。
この後、下山途中で歩荷さんが大きな荷物を背負って登っているのを見た。


大山山頂。8時30分ごろに蓑毛バス停を出発して、到着は10時30分頃。約二時間の行程だった。
しかしこの日は快晴で絶好の登山日和。
やはり寒くなると空気が澄んで景色がよく見渡せるようになる。冬は低山の季節だ。

既にベンチやテーブルはほとんど空いていないが、探せばまだ座れる場所くらいは確保できるくらいの混み具合だった。



ホントに人気の山なんだなあ。ケーブルカーで気軽に登れるのが良いのかも。
大山は丹沢の高尾山だ。


アンテナの方に少し歩くとトイレがあった。だいぶしっかりしたトイレだ。大体、こういう山にあるトイレは12月に入ると凍結防止のために、利用禁止となるケースが多い。
でもここは特段そういう感じではなかったので、通年利用できるトイレなのかも。有難い限りである。


アンテナの方に近づいてみると、山の稜線が見える。なんの山だろうか。たぶん三峯山かな?


トイレ前にも広場があって、正直ここの方が見晴らしは良い気がする。


こっちはたぶん伊勢原の街並みかな。


こっちは秦野盆地。小田原とかの方かも。富士山はもっと右のほうのはず。山頂から富士山見えたっけ?


山頂の気温は約3度。
ただ長袖シャツでそんなに寒い感じはしなかった。日向だと気温は低くても寒さはそれほど感じない。風もほとんどなかったせいだと思う。
とはいえ、休憩していると汗冷えしたりするので防寒着は重要である。


中央あたりに見える島が江の島。


相模湾がキラキラに輝いている。
写真中央に浮かぶ大きな島が大島だと思う。


微妙に木が邪魔だけど、良い景色だ。


適当に写真を撮り終わったら早速下山する。まだ今日の行程の1/3しか歩き終わってない。
これから蓑毛越まで降りて、そこから秦野駅まで山伝いに歩いていくのだ。のんびりしている時間はない。

下山を始める頃には茶屋で休む登山者も増えていて、山頂も一層賑やかになってきていた。


山頂直下はしばらく岩の多い道が続く。なかなか降りるのがしんどい。
久々に膝へのダメージを感じる。


道中見晴らしの良いところが数か所あり、足を止めて写真を撮る。


続々と登山者が登ってきている。お昼時は大山山頂は賑やかだろうなあ。


富士見台まで戻ってきた。


ここからは富士山を眺めることができる。向こうの尾根は何の尾根だろう?


ケーブルカー方面と蓑毛越への分岐を過ぎてすぐのところに大きな岩がある。ここは蓑毛バス停から登ってくるところにも通過するところで、通過の難易度は高くない。
高度感もないし、手も使えば簡単に越えられると思う。


ずっと降っていくと、蓑毛バス停方面と蓑毛越しへの分岐点に出る。
そこから幅の広い尾根道を降っていくとすぐそこが蓑毛越である。
ここもデカい岩がゴロゴロしている。
そこそこ急坂で滑りやすいので、油断していると転んで尻餅をつきかねない。


蓑毛越はこの手前。ここからは高取山手前の林道に出るまでずっとこんな感じの幅広でなだらかな道が続く。


せっかくなので、浅間山に寄ってみることにした。
浅間山には塔があって、風を受けて不穏な音を立てている。



逆方面からの道は崩落していてかなり歩きづらい。
どうりで逆側から来る人はみんな巻道を通っていたわけだ。


しばらく歩いていくとまたアンテナ施設。
ここは写真右側に高取山方面への道標があるのだが、真っ直ぐいっても道標通り曲がっても、すぐそこで合流するのであまり変わらない。


穏やかな道が続く。


途中送電鉄塔の場所から東京方面と思しき街並みが見える。


高取山の急坂が始まる手前で、一度林道を渡る。
林道を渡ってから先は、道は登山道になる。林道を渡ってすぐのところにお地蔵さん。眼力がすごい。


高取山への登り返しはなかなか疲れる。大山方面からの登りは大半が階段になっていて歩きやすいが、逆方面の坂はザレた道で降りだと少し緊張感があった。


高取山は木に囲まれた山頂で展望は特にないが、木の間から大山方面はよく見えた。


しばらくはそのまま道なりに進む。地味にこの区間が長く感じる。
登山者は数人程度だが、トレラン勢が特に多く感じる。何か大会があるんだろうか?


念仏山に到着。ここは少し開けていて日当たりがいい。見晴らしはそれほどないけど。
ベンチが一つあるだけの山頂で、少し休憩したら出発する。


足の高いベンチはヤマビル避けなんだろうなあ。


害獣避けのゲートを潜るとすぐそこが善波峠である。


よくわからないが、善波峠手前には何か物々しい雰囲気の小屋がある。なんの小屋なんだろう?
中をチラッと覗いたが、ガラクタのようなものが少し置いてあったりしてよくわからなかった。


善波峠の切り通し。



善波峠以降はまた幅広のなだらかな道になる。高速道路だ。
ここから一気にハイカーとすれ違うようになった。みなさん、善波峠から先には進まず、ここで下山するのかな?


なんと自販機まである。


自販機前からは丹沢の山並みがよく見える。
ここは舗装路が麓の方に繋がっていたので、車で来る人もいるのかもしれない。


ようやく弘法山に到着。
ここは銀杏が綺麗に黄葉していて綺麗だった。
この辺りまで来ると登山者と一般の観光客が半々といったところ。


お昼時だからか、数人のハイカーっぽい人たちがベンチで休憩していた。



ここからもいい景色が望める。
標高がだいぶ下がったので、遠くの方は見えないけど。


鐘は御近所迷惑だから突くなと注意書きがあった。


弘法山の山頂標。だいぶ気合が入っている。



わずかに江ノ島が見えるような…。


大山。数時間前まであそこにいたのかと思うと感慨深い。こうしてみるとなかなか距離があるように見える。


ここらへんは文字通り公園ですね。気軽にハイキングを楽しむにはいい場所だと思う。飯能で言うところの天覧山と多峰主山みたいな感じか。


弘法山を降りて舗装路を歩いて権現山を目指す。
駐車場もあって、ハイカーより一般の人の方が多く感じるくらいだ。


途中広場があってここからも丹沢の山並みがよく見える。


こっちは相模湾の方。
ベンチも何個かあって休憩している人、散歩している人も大勢いた。


権現山への最後の登り。


権現山山頂は弘法山より広く、開けていて広場みたいになっている。
見晴台があって、そこからよく景色が見えた。


雲に隠れてるけど、中央のあたりに富士山が見えるのかな?どうもそんな感じがするが…。


こっちは大山。左端に塔ノ岳が見えるかも?ヤビツ峠は大山の稜線を左に下っていった、送電鉄塔があるあたりだろうか。


微妙に木に隠れて塔ノ岳ははっきり見えない。



権現山からの降りは思ったよりもしっかりとした登山道で、道はそこそこ狭いし急なので、しっかりした靴で歩いた方がよさそう。
流石にここから権現山に登っている人は皆さん登山装備だった。

ここからしばらく舗装路を歩いて秦野駅を目指す。この日はそこそこ暑く、汗をタラタラと流しながら駅に向かう。
14時39分ごろ秦野駅に到着。ホームで残ったパンを食べて電車が来るのを待つ。