百蔵山・扇山

更新日: 2024-02-23 21:49
山梨県の山
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山行日: 2023年12月10日

今回はまたまた山梨県東部、中央線沿いの山に登ることにした。
このあたりの山は駅から近いので、公共交通機関勢には嬉しい。乗り換えもそんなに必要ないし、何より奥多摩や西武秩父線みたいな山岳路線と違い、線路が複線なので電車の本数も多いし進むのも早い。

この中央線沿線にはまだまだ気になる山はあるものの、せっかく天気がいいので見晴らしの良い百蔵山と扇山に登ることにした。
本当は猿橋駅から百蔵山にアプローチし、そのまま扇山、犬目丸、萩ノ丸と歩いて談合坂SAのあたりに下山し、四方津駅から帰ろうかと思っていた。山行日の数日前に、分県登山ガイド山梨を見ていたら、百蔵山の手前は急坂で降り利用はおすすめしないと書いてある(これは百蔵浄水場分岐の道のことだったっぽい)。倉見山で落ち葉の積もった急坂の下りが怖かったし、ここは素直に逆コースにしよう、と考え直し、浅川バス停から浅川峠、扇山と歩き、百蔵山に登ることにした。

山行日当日、猿橋駅には午前8時前に到着。他の登山者も数人降りていたが、その人たちはそのまま歩いて百蔵山方面に消えていった。
私はしばらく8時23分発浅川行きのバス待ちである。
もっと接続の良い時間に着く電車もあるが、浅川行きの午前中のバスはこの一本だけなので、絶対に逃すわけにはいかない。

天気予報じゃ最高気温20度と12月とは思えない暖かい陽気であるが、陽が照る前の早朝は流石に寒い。おそらく0度近い気温だったのではないかと思う。
20度なら半袖十分じゃんか!と思って半袖でこなくてよかった。

今回歩いたコース、やはり当初計画の逆回りにして良かったなと思う。危険箇所というほどでもないけど、ヒヤヒヤしたのは浅川峠から扇山への登り、コタラ山から百蔵山への登りの二ヶ所。
浅川峠から扇山への道は痩せ尾根が2〜3箇所あって、少し滑り易かったり、落ち葉が積もっているところもあって、登りはいいけど下はそこそこ怖いんじゃないかと思う。
コタラ山から百蔵山への登りも、落ち葉が積もっているところがあって、登りの下部は露岩の道、拳大の石もゴロゴロしているので落石注意、上部になってくると斜度も少し緩み、歩きやすい急坂になる。


駅から見えるこの山が百蔵山だと思う。
山頂付近は確かに平らで広そうな感じがある。
左側の稜線はそれほどではないけど、右側の稜線は若干急な感じがする。登った後にこの写真を見ると、確かにコタラ山から百蔵山への登りはきつかったんだなあ、という感じがする。


こっちは扇山だと思う。
扇山も山頂付近は平らで広そうな印象だ。
扇山と百蔵山の間は緩やかに凹んでいて、200m程度は下って登り返す。

写真を撮っているうちも、何人か登山者が駅を後にしていった。


猿橋駅から約30分程度バスに乗ると終点の浅川バス停に着く。
目の前の広い道が浅川峠の登山口に通じる林道で、ここをしばらく歩いていくと登山口に着く。

猿橋駅でバスを待っていた時は、みんな徒歩で百蔵山の方に歩いて行っていたので、バスに乗る人は果たしているんだろうか?と思っていたら、直前に電車で数人バスに乗る予定の人がいたみたいだった。
結局、浅川バス停では私込み6~7人程度の登山者が下車した。

バス停の周辺には民家らしい建物はあるものの、トイレや自販機はない。


林道を歩いていくと右側に砂防ダムが見えてきた。
この砂防ダムの手前あたりに階段のようなものが見える。恐らく工事用の道か林業用の道と思われる。


途中しっかりとした橋が見えてきた。
結構車が行き来することがあるんだろうか?


ここが登山口。
少し先に、道幅の狭い、急斜面につけられたトラバース道があり、そこが少し緊張するくらいで、あとは歩きやすい九十九折りの道である。


このあたりは植林の杉や檜ではなく、自然林のようで落ち葉のラッセル状態だった。
樹間から権現山が見える。浅川峠から権現山にピストンしてもいいなあ、と思っていたけど地味に標高差がありきつそうだったのでやめておいた。


浅川峠は峠といっても権現山と扇山の縦走路が走っているくらいで、向かい側に降りる道はほぼ使われていないようである。

浅川峠から曽倉山まではしばらく歩きやすい道を歩く。


曽倉山。
このあたりは平坦で落ち葉が積もっていて少々道がわかりづらいものの、尾根上を歩いていけばよいし、歩けそうな支尾根が伸びているわけでもないので道迷いはしないと思う。


曽倉山から扇山の間は痩せ尾根が2~3か所あり緊張感がある。
痩せ尾根以外でも、正直落ち葉が多くなかなかに怖さがある。一回だけ、落ち葉の下に木の根があるのに気付かず躓いてこけそうになった。
いや~落ち葉のある季節は怖いですねえ…。


徐々に扇山が大きくなってくる。


狭いトラバースも超えて…


本格的な登りとなる。上の写真は振り返って撮影したもの。
この登りがなかなかにきつい。捕まれる良い感じの木もそれほどなくて、ここを下りで使うのは結構怖いんじゃないかと思う。
一本だけ、根がぐらぐらしていて力強く引っ張ったら抜けそうな木があったので、木に捕まる際は気を付けた方がいい。


扇山手前に熊っぽいうんち。
この大きさはたぶん熊だと思う。


扇山山頂に到着。
この日はよく晴れていて富士山ビューが素晴らしい。


山頂は広く木が少ないので気持ちがいい。
木でできた簡易ベンチもそこそこあって休憩適所だ。
まだ10時30分くらいだったが、既に山頂には数人の登山者が休んでいた。



大久保山への道はなだらかで幅広の道。


大久保山からは鞍部に向けて急降下が始まる。


鞍部はなだらかで歩きやすい道が続く。
気持ちいい登山道だった。
百蔵山と扇山をセットで歩く人は、そこそこいるみたいで数人の登山者とすれ違った。


コタラ山の先の短い痩せ尾根を通ると、尾根上を歩いていく。しばらくはなだらかな道だがすぐに急登が始まる。
この急登が若干怖い。落ち葉が多いのと、下部は露岩の道で、落ち葉の下に何があるのかさっぱりわからないのだ。
一度、落ち葉の下にあった岩に気づかず、蹴り出した時に岩が猛回転しながら坂道を転がっていった。
少し離れたところを登っていた女性登山者には当たらなかったが、本当に申し訳なかった。
登山じゃフラットフッティングで歩くように気を付けないとダメだな、と反省した。


振り返って撮影。
いや~この急登はなかなかきつい。ただ、扇山への登りに比べると、捕まれる木がいっぱいあるので助かる。


一度少し平坦になっているところを抜けると、今までの岩っぽい道から少し歩きやすい道になる。
ここからまた急登ではあるが、山頂はもうすぐそこである。


山頂が見えてきた。心躍る。いよいよこの急登ともおさらばか~


平坦なところに出るとすぐそこに猿橋駅への分岐。
ここが分県登山ガイド山梨にあった百蔵浄水場分岐だと思う。う~ん、この道、確かに急登な香りがするぞ。


少しだけ山頂標のあるところまで歩いていく。


ようやく百蔵山山頂についた。
時刻は約12時。浅川バス停を出発して約3時間。

山頂では大勢の人がお昼休憩を取っていた。


百蔵山山頂。標高は1003m、扇山の標高が1138m。
鞍部の最も低いところで標高約800m程度なので、330m下って200mの登り返し。



扇山より百蔵山の方が景色は良いように思う。
富士山ビューが素晴らしい。



自然を大切に!


こっちは染川駅方面かな。倉岳山とか高柄山の方だと思う。


適当に写真を撮ってお昼を食べたら山頂を後にする。
ざっくり20人くらいの登山者がいたんじゃないかと思う。


下山は大同山方面にいって、猿橋駅分岐から下山する。大同山も登っても良いけど、どうせ何もなさそうだし、行ってもな~と思ったので行かなかった。


この道は落ち葉こそ多く積もっているがかなり歩きやすい。
九十九折りの道で、緩やかな道が続く。


途中見晴台があったので、ここでも写真を撮る。


この見晴台も富士山ビューが素晴らしい。




猿橋駅付近。


猿橋駅から山の上の方に何か建物が見えるなあ、と思っていたけど、切り開かれて住宅地になっていたんですねえ。


写真を撮っていたらちょうど高尾方面の電車が猿橋駅に到着した。



たぶん、見晴台がちょうど中間地点になると思う。
道は相変わらず歩きやすい。


結構降りてくると、斜面につけられた狭いトラバース道になる。
ここはロープがつけられていたけど、ロープなしでも全然歩ける。安心仕様はたぶん、このルートで登る人が多いからなんだろうなと思う。


水場?飲めるかは不明。


登山者カウンター!皆野町の山でよく見るやつだ。


トイレ分岐とショートカット道の分岐。どっちに行っても大して変わらない気がするが、ここはショートカット道を選択。


すぐそこに水道施設?のようなものがある。ここが登山口だろう。
周りは立派な建物があったが、なんの建物なのかはわからなかった。


下っていくと広場に出る。
ベンチも色々あるけど、配置が独特だなと思う。登山者向けなんだろうか?


遊びで作られたバス停看板。本物のバスはここまでは来ない。トトロが乗るバスなのかな。


向かいにはチップ制トイレ。この辺りは使えるトイレがないのでありがたいですね。


岩殿山。


奥の稜線は大菩薩嶺から伸びる小金沢連嶺かな?


この開けている山が何なのか気になる。歩いてみたいなあ。


振り返ると百蔵山。良い山だった。




猿橋駅に到着。約13時30分。約4時間30分の山行だった。

百蔵山も扇山も眺めがよくて、山頂も広くて休憩しやすいし良い山だと思う。
百蔵山だけなら猿橋駅から登山口まで歩いていけばすぐ登れるし、扇山も鳥沢駅から歩いてすぐだ。
セットで登っても良いけど、単体で登っても面白いと思う。その場合は特に滑りやすい場所だったりもないので、山を始めたばかりの人が眺めの良い山を目的に登るのも良いと思う。