日連アルプスと緑のラブレター

更新日: 2024-04-07 19:16
奥高尾丹沢
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山行日: 2024年3月2日

今回は藤野駅からずっと見えていたラブレターを見に、日連アルプスとその周辺の山々を繋げて歩きます。

ところで、日連アルプスはどこらへんの山の事を言うんだろう?と思って調べてみたところ、藤野駅南東にある金剛山から宝山までの山を日連アルプスというらしい。
藤野駅から南西にある経塚山や古峯山、さらに南にある金剛山、天神峠、高倉山あたりも日連アルプスに含まれるのかな、とちょっと思っていたんですが、どうやらそのあたりは日連アルプスとは言わない模様。

(出典: 藤野観光協会)

また、南西の名倉・大刀・芝田・葛原あたりは芸術の道と呼ばれているらしく、道中様々な芸術作品が道端に展示されている。

今回登った山はすべて標高500mに満たない低山で、全体を通して歩きやすい道が続く。
ただし、名倉金剛山のあたりは痩せ尾根となっているが、フェンスが設置されており痩せ尾根が苦手な方でも歩きやすいと思われる。
また、日連アルプスの宝山からの下りは、もはや崖のようなところを通過する必要があるが、ロープが多く設置されており、慎重に降れば特に問題はない。心配なら逆向きに、宝山から登って日連金剛山から下山するのが良いかもしれない。


藤野駅から見えるあのラブレター。以前から気になっていたが、あれも藤野芸術の道の芸術品の一部となっている。


駅からしばし歩いてラブレターを目指す。中央右にある白い橋が弁天橋。


なぐら湖畔の森という道もあるらしい…興味はあるが今回はパス。


しばらく車道を歩いていき、擁壁を登っていくと民家の庭のようなところに出る。
奥の写真の右奥にも歩けるらしいが、古峯山に向かう道のようなので、今回はパス。


ここがラブレター至近の登山口の模様。


本当に登山道なのか少し怪しい感じもするが、階段になっているし指導標もあるので、とりあえず進んでみる。


正直所見だとよくわからない指導標だが、古峯山ではなく、経塚山も経由していきたいので、名倉グラウンド方向へ。


ここでA24という指導標が唐突に登場。
A24とは一体…?と思ったのだが、これがこの記事の冒頭で紹介した地図上の番号と一致しているらしく、あの地図とあわせて見ることで現在地がわかる、という仕組み。
ここは右側に曲がってみることにした。


あんまり人が通ってない印象がするが…明らかに道っぽくなっているし、とりあえず進んでみる。


すると祠があり・・・


開けた場所に出る。一番奥にあるのっぺりした山が恐らく陣馬山。ずっと右に続く稜線に三角形のピークがあるが、恐らくあれが堂所山かな?
陣馬山から左側に標高を落としてもう一度登ったところにあるピークが生藤山かな。


で、この足元にラブレターがある。


愛の鐘。
まだ朝だし思いの外民家が近いので鳴らさなかった。


そのまま東側に降りていくとグラウンド。これがたぶん名倉グラウンドかな。
向かいに見える山がたぶん日連アルプスの日連金剛山のような気がする。


このあたりの山々は特に道が整備されていてアップダウンも少なく歩きやすい。
途中打ち捨てられたような指導標。


とベンチ。このベンチ、丹沢で見る対ヒル仕様のベンチに見えますが、やっぱりこのあたりもヒルが出るんだろうか?


そのまま非常によく整備された道を歩いて経塚山へ。


経塚山。
周囲の木は冬枯れしていて明るい山頂ではあるものの、木が多く枝が邪魔で景色に優れる、とは言い難い。


またまた祠。今回歩いた山にはだいたいこの手の祠があった。この周辺の人達の信仰の山だったりするんだろうか?


少し奥の方に見晴らし台と思しき場所も。


確かに景色は見えるけど、やはり枝が邪魔。位置関係的に奥は裏丹沢のような気がする。
左に見えているのは石砂山かな?右は高倉山のような気がする。


経塚山からしばらく歩いていくと四叉路に出て、そこから更に歩いていくと古峯山。


せっかくなので古峯山によってみたが、これといって特筆すべき点はなし。


ここが四叉路。往路では、本日始めて遭遇した登山者が休憩中だったため写真は撮れなかった。
経塚山からは写真左側の道から降りてくる。
右側の道を進むと一本松山方面。


こちらは右側がたぶん下山路。
左が古峯山へ通じる道。往復10~15分といったところ。


錆びた指導標に坊主山と書かれている。
登山道はピークを迂回するようにつけられているが、どうやらこのピークが坊主山らしい。
せっかくなので、これも登ってみることにする。


少し登るとすぐに山頂。ここが坊主山らしい。


坊主山の山頂は狭い。
ここからさっきの登山道に繋がる道があるらしいのだが、よくわからず。
どういっても藪っぽい感じがしたので、とりあえず来た道を戻って登山道を歩く。


なんかこっちも降れそうな感じがしたけど…今回は歩かなかった。


また歩いていって分岐。この分岐はよくわからないが、とりあえず一本松山方面へと歩く。


一本松山。
古峯山手前の四叉路ですれ違った登山者にここで追いつく。
一本松山山頂は少しばかり広く休憩できそうだが、まだまだ先は長いため、休憩せず次の山へ。


で、一本松山から降りてきて、この三叉路。
ここから、こかげ山方面へ歩く。


こかげ山ってこんな漢字で書くんですねえ。所見だと読めないな。


ここも祠と…


石標。
内容を読んでみると上京するにあたり植樹した人に感謝する記念碑らしい。


で戻ってきて芸術の道へ。


ここから出てきて、舗装路を歩いて次は名倉金剛山を目指す。


途中石槌山への分岐もあったが、今回はパス。


この地図はこの記事の冒頭で紹介した藤野観光協会の地図ですね。日連アルプスは丁度隠れているけど、経塚山や名倉金剛山、高倉山あたりはバッチリわかります。


歩いていくと陶芸工房の入口。
ここからも経塚山へ登れるらしい。



舗装路を歩いて名倉金剛山へ向かう道中、見晴らしがいいところがあったので、しばらく景色を楽しむ。

以前からずっと欲しいな、と思っていた双眼鏡を先日購入したので、それを使って遠くの山を見たりする。
奥の山がたぶん権現山あたりだと思うのだが…。左のほうがたぶん扇山・百蔵山じゃないかなあ。


今回歩いてみて始めて知ったんですが、この道は藤野芸術の道といって、道中にいろいろな芸術品が展示されている。


例えばこれはFLORA・FAUNAという作品名らしい。
まあ見つけた作品を全部紹介はしませんが、興味がある方は歩かれてみては…。


あとはこういう作品とか。


なんか変なテントが山肌にあるなあ、と思って見ていたんですが、この位置から見ると目に見えますね。


シュタイナー学園を通り過ぎて正念寺と葛原神社のあたり。
観光トイレが近くにあるらしいが、場所はよくわからず。


登山口が近くなってくると、より一層長閑な雰囲気になる。


ここが登山口。


どうやらヒルが出るらしく、ヒル避けがおいてあった。
まだ寒いからヒルは出ないだろうけど、夏は登れないな…。まあ暑すぎて無理だろうけど…。


登山口はあんなに広かったのに、少し進むと藪っぽい。手でかき分けつつ進む。


笹藪がなくなったら登り。なかなかの急坂で少し疲れる。
右側はずっとフェンスが続いているが、こちらは急斜面になっていて、間違って落ちないように設置したものの様子。
なんと親切なんだろうか。


坂を上り詰めていくと崩落した斜面につけられたような道に。
ここもフェンスがあって安心設計。遊歩道というだけあってよく整備されている。登山道だったらフェンスはまずないだろう。


稜線に乗る。ここで鶴嶋金剛山への分岐。
本当は鶴嶋金剛山も寄ろうかと考えていたが、この後日連アルプスも歩く事を考えると、無駄に疲れるのは嫌だなと思ったので今回はパス。


稜線は少し道が細くなっていくが進む。


このあたりが痩せ尾根。しかし親切なことにフェンスがある安心仕様。
フェンスがなかったら怖いだろうな…。


名倉金剛山に到着。


ここは山頂に祠が置いてあり、これが狭い山頂を占拠しているためベンチ等はなかったと思う。
見晴らしもそれほど良い訳ではないので、写真を撮ったら早々に天神峠を目指す。


名倉金剛山から。たぶん奥の稜線が裏丹沢…と思われる。


名倉金剛山から急降下して歩きやすい稜線へ。このあたりの雰囲気はなかなかよく、歩いていて気持ちがいい。


見晴台二到着。といってもそれほど見晴らしが良い感じではなかった気がするが…。
ベンチが多く休憩には適しているが、写真奥のサビついたベンチは使えるギリギリのラインといったところ。
ベンチ等が整備されていることを考えると、歩く人がそこそこいるのだろうか?と思うが、古峯山の分岐で二人組の登山者とすれ違ってから、誰ともあっておらず、人気がある感じではない。


またまた急降下して天神峠を目指す。


天神峠着。
ここから高倉山へは少し離れたところにある道を登っていく必要がある。
高倉山から先に見晴台という場所があり、そこから藤野フラワーガーデンに降りる道があるはずなのだが、今は通行止めになっている、ということで高倉山もパスし日連アルプスを目指す。
見晴台から藤野フラワーガーデンに行くことができると、日連アルプスにスムーズに繋げて歩くことができるのだが…。
仕方ないので、今回は舗装路をずっと歩いて秋川橋を渡り、日連金剛山の登山口を目指す。


ここが高倉山の入口。
ホコリっぽいせいか、レンズにゴミが大量に付着して、それが太陽光に反射して非常に見づらい写真になってしまった。


高倉山から下山する道があるはずなのだが、恐らくこれがその出口かな。


日連アルプスまで歩いている途中に梅が咲いていた。
ほんのり甘い香りがする。


そんなこんなでだいぶ舗装路を歩いてきたけど、ようやく日連アルプスの入口に到着。
もうお昼近いこともあり、流石に周囲に登山者の姿は見当たらない。


ここも暖かくなるとヒルが出るらしい。要注意だ。まあ夏はこのあたりの低山は暑すぎて歩けないと思うけど…。


九十九折の道を登っていくとベンチのある休憩所。
ここでパンを食べてお昼休憩。これからまた山に登るのかと思うと流石に億劫である。
最後に登場する宝山からの下りのロープ場が少し気になっている。もし降りれない!となったら往復して戻ってこなくてはならない。
昔は日連金剛山と宝山の中間地点(鉢岡山分岐のところ)に下山路があったのだが、今は台風の影響で崩落があり通行止めとなっており、下山するには鉢岡山分岐から南側に歩いてみるか、ここまで戻ってこなくてはならない。


ベンチのあった休憩所から先は少し登山道の雰囲気が変わって若干険しくなる。
といっても今までは見るからによく踏まれた広い登山道だったのが、少し狭くなった、くらいのもんだが。


地味にこの坂道がつらい。


道中振り返ってみると藤野駅のあたりと奥高尾の山々。


最後の急坂。これがきつい。


ようやく山頂らしきピークが見えてきた。


というわけで日連金剛山に到着!
ここも祠があり、金剛山神社というらしい。


とりあえずカウンターを押して周囲を観察。


祠の後ろにあるこの木が御神木なのかな?見るからに樹齢が長そうな木だが、裏側を見ると焦げていた。


奥にベンチが2組。
この奥に下山路が続いているらしい。


稜線に出てからはアップダウンが少なく歩きやすい道となる。
途中岩っぽい場所もあるが、間を通れば良いだけ。また、このあたりは少し道が狭くなるが、高度感はそれほどなく、高所恐怖症の私でもすんなり歩けた。


ようやく峯に到着。
ここが本日もっとも見晴らしの良いポイントなのだが…。


素晴らしい眺望。
恐らく日連アルプス最大の見せ場がここ峯山頂。大月方面の山が一望できる。手前にある低山が最初に歩いた経塚山・古峯山あたりのはず。

ここで久しぶりに登山者と遭遇。まさか日連アルプスで他の登山者と遭遇するとは…予想外だった。
なお、この峯からさきに北側に八坂山という山があり、私もそこに行く予定だったのだが、予想外すぎる登山者との遭遇によりすっかり立ち寄るのを忘れて、そのまま日連山方面へ歩いていってしまった。
いつか再訪せねば…。


峯から杉峠へ向かう道中、唐突にベンチが一組。全体的に歩きやすい道が続く。


杉峠に到着。
先ほど峯で遭遇した登山者について歩いていたのだが、その方はここで鉢岡山方面へと消えていった。
鉢岡山は廃車がある有名なスポットがあるので、見ておけば良かったかな、とも思ったのだが、まああんまり興味ないしいいか、ということで。


私有地、という謎の分岐が気になる。まあ民家に出るってことだろう。
杉地域、駅、方面は台風による崩落で通行止めとなっている。


唯一のエスケープルートが通行止め。


杉峠から登り返して行くと…


日連山に到着。
またまた別の登山者とスライドする。意外にも日連アルプスは人気なのかもしれない。こんなに登山者と遭遇するとは予想外だ。


日連山も冬枯れの木に囲まれており明るい山頂ではあるのだが、枝が邪魔で景色はそれほど。


また少し標高を落として宝山へ登り返す。


宝山に到着。
日連山と宝山はかなり近い。降って登れば宝山である。


ここも北側に少しだけ見晴らしがきくだけでそれ以外は全く。


さてさて、宝山からの下りが気になるところ。
この先にえげつない下りの崖があるはずなのだが…。
下り始めは階段になっていて歩きやすい道ですよアピールがされているが…。


いよいよ出てきた、危険看板。果たしてそれほど危険な坂なのだろうか?


ちょうど先行の登山者が降りて行っていたので、少し間を開けて降りていく。うーむ、確かに上から見る感じかなりやばい道だ。
坂、というよりもはや崖に近い。
とはいえ、ご覧のようにロープが両サイドに張り巡らされておりアブナイ感じはしない。
これだけロープがあれば、ロープを頼りに慎重に降っていけばなんてことないはずだ。


この下り…もとい崖は距離がだいぶ短いこともあり、最後までロープが設置されているので、ロープを掴んで慎重に降っていけば問題ない。
まあ少し間をあけて、岩を落とさないように気をつけたほうが良い気はするが、それくらいか。


降りてしまえばあとはよく整備された水平道。ところどころ崩落し始めている気もするが…歩く分には全く問題ないといっていい。


ここで地図にない分岐。
真っ直ぐ進んでも歩けそうだが、てっとり早いのは沢沿いに下ることのような気がしたので、そうしてみる。


と、この民家横に道に出てきた。


ここから藤野駅までしばらく舗装路歩き。

こういう低山は正直、人が全く歩いておらず不安になるような道か、思いの外歩く人がいてよく整備された歩きやすい道のどちらかなのだが、今回の登山道は後者だった。見晴らしの良い箇所は峯くらいだと思うが、よく歩いている奥武蔵や奥多摩と違い、雑木林の道が多く、冬に歩くと葉が落ちていて明るく気持ちがいい。

難点は各山塊がショートコース過ぎるので、繋げて歩くとちょうどよいと思うのだが、そうすると今度は舗装路歩きが多くなってしまう。
今回のコースも、体感では半分程度は舗装路歩きとなってしまった。