倉戸口バス停から鷹ノ巣山を歩く

更新日: 2024-06-10 10:21
奥多摩
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山行日: 2024年5月7日

今回は久しぶりに奥多摩へ。
前々から気になっていた鷹ノ巣山へ、榧ノ木尾根で登る計画である。
鷹ノ巣山に登るルートは稲村岩尾根ルート(令和2年5月末頃から崩落により通行止め)や、峰谷から登るルートなどが有名で、榧ノ木尾根から登るルートはどうもマイナーな気がする。地形図を見る限り、倉戸山から広い尾根が広がり面白そうなルートなのだが…。

なお、倉戸山から榧ノ木尾根に向かう尾根は広く、昔は道迷い遭難が多発したらしいが、現在はガイドロープが設置されており、ロープに沿って進めばまず道に迷うことはないと思われる。

下山は鷹ノ巣山から石尾根を歩き、奥多摩駅までの予定。陽が落ちるのが遅くなったとはいえ、ちょっぴりロングコースであり、累積標高差もそこそこあるため、可能な限り早いバスで倉戸口バス停へ向かう。


というわけで7時45分頃に倉戸口バス停に到着。
倉戸口バス停で降りる人なんているんだろうか?と思っていたが、私込み4人が下車。想像以上に多い登山者だ。

なお、残念なことに、倉戸口バス停付近にトイレはないため、奥多摩駅で既に用を済ませておく必要がある。トイレは鷹ノ巣山避難小屋にあるだけで、石尾根上には存在しない。鷹ノ巣山避難小屋も、榧ノ木尾根から登る場合は遠回りになる。


しばらく舗装路を歩いて登山口へ向かう。
この舗装路歩きで道に迷わないと心配だったのだが、ところどころに道標があり大丈夫だった。

舗装路の脇には建物がいくつかあるが、あまり人気がなく、空き家は多いのかもしれない。


登山口に到着。この手前に温泉神社があるのだが、そのあたりを猿が我が物顔で歩いていった。


評判通り最初からそこそこの急坂が続く。


ある程度登ったら平坦になりトラバース道へ。

この先からまた急坂を登って尾根上に復帰することになる。


尾根に復帰。
ここからまた急坂区間となる。


早速ガイドロープが登場。
確かにこのあたりは広く、どこでも歩けそうでロープがないと困ってしまうかも。昔は、下山時は特に要注意だったんじゃないかと思われるが、現在はガイドロープがあるので安心。
写真だとわかりづらいが、ここもそこそこの急坂となっている。途中で先行の登山者1組を追い越す。


GWにいくつか山に登ったが、どこも人が多かったので、静かな山歩きが出来て嬉しい。あんまり人がいないのも困るが、時たま登山者とすれ違うくらいが丁度よい具合だ。

この日は快晴だったこともあり、新緑が美しく、眩しい。


どんどん進んでいく。今のところ痩せ尾根や岩場等もなく、歩きやすい道が続く。


ここでトラバース道に。少し幅が狭く、唯一少し緊張したところ。


トラバース道が終わり、緩やかになった道を登っていくと倉戸山山頂が見えてきた。
登り始めてから約1時間ほどで到着。思いの外良いペースである。


榧ノ木山までは、また広い尾根道となる。


またまたガイドロープが登場。このあたりも本当に尾根が広く、ロープがないと迷うだろうなと思う。


このあたりは割と平坦で歩きやすい。木が整然と並んでおり、気持ちがいい。



途中で倉戸山と書かれた道標を見つける。最初は山頂標かと思い、なんでこんなところに…?と思ったのだが、よく見ると矢印状になっており、指導標であることがわかる。
まあガイドロープがあるので、現在では必要ないかもしれない。


ここから榧ノ木山まで少しばかり急坂。この手前あたりで登山者一人を追い越している。
この坂道で、下山してくる登山者とすれ違い。思いの外榧ノ木尾根を歩く人は多いらしい。もっとひっそりとした尾根だとばかり思っていた。


榧ノ木山から先は少しばかり尾根が細くなる。まあ普通の尾根という感じ。今までが広かったので、細く感じる。


振り返って撮影。このあたりも広い尾根。


石尾根縦走路手前の坂道。ここまで割と登ってきたので既に足が疲れ気味。


ようやく石尾根縦走路に合流。
やっとだ~!と思い歓喜する。


この合流地点から鷹ノ巣山までは見晴らしがよく、本当に気持ちの良い尾根道。今日のハイライトは間違いなく、ここから鷹ノ巣山山頂までの区間だ。

なお、一番登山者とすれ違ったのもこのあたりで、日帰り登山者から、大きなザックを背負った登山者まで色々だった。


鷹ノ巣山まではユルユルと登っていく。


ようやく正面に鷹ノ巣山が見えた。まだこれだけ登らないと行けないのかと思うと辛い。


鷹ノ巣山手前の道は広く、なだらか。木も少なく見晴らしが良い。このあたりで休憩している登山者もそこそこいた。


左の木で富士山が隠れてしまっているが…


ユルユルと登る。気持ちいい尾根道だ。


ようやく富士山が見える。快晴でとても良く富士山が見える。


これは桜かな?何の花かはよくわからず。


いよいよ鷹ノ巣山山頂が見えてきた。


鷹ノ巣山山頂に到着。


鷹ノ巣山は富士山方向(南側)に木がなく、見晴らしが良い。
富士山がバッチリ真正面に見える。山頂まで少し長い道であるため、登山者それほど多くなく、山頂で休んでいたのは10人弱といったところ。

休憩中もひっきりなしに登山者が登ってきては降りていっていた。


奥に積雪している山が見えるがあれは南アルプスだろうか?


富士山。言う事なしの絶景。


中央あたりに見える特徴的な山が大岳山だろう。形が特徴的なのでわかりやすい。
大岳山はケーブルカーを使うと割と簡単にアクセスできるため、登山者が多い。今日も快晴であるため、登山者は多いだろう。


手前左側に見える尾根道が榧ノ木尾根と思われる。


昼ご飯を食べて早速下山。石尾根は長いのだ。


途中までは歩きやすい道が続く。
ほとんど平坦な道で全く標高が降りていかない。


城山の先からは一気に急降下。
これが嫌な人は、水根山手前あたりで尾根を外れ巻道を使うと良い。(私はその巻道歩いたことないから、道の状態はわからないけど)


急降下した後は再びなだらかな道へ。


少し登りの道になった後、六ッ石山への分岐。
折角なので六ッ石山も寄っていくことにする。


六ッ石山山頂。


六ッ石山も山頂は広く、10人程度の登山者が休憩中。
ここから奥多摩湖方面に降りるルートもあるようだ。


ちょっと寄っただけなのですぐに六ッ石山を後にして石尾根に戻る。


広い尾根道。
石尾根はこんな感じの道がずっと続くイメージだったのだが、歩いてみると意外と尾根を外れて歩くところもあり、面食らう。


ここでまた急降下。
少しザレているが、その程度で特に問題なし。


ここで分岐。
右は林道を使って降りるルートのようだが、基本的に石尾根は真っ直ぐ奥多摩駅まで降りていったほうが道が荒れておらず良いとされている(七ツ石小屋のホームページに書いてあった。)
なお、私は石尾根初心者、これが始めての石尾根歩きである。基本に忠実に、石尾根を真っ直ぐ降りていくのみだ。



(振り返って撮影)ここはなぜだか石積のキレイな道のようになっている。


標高が落ちて、徐々に樹林帯の道へ。
写真は巻道から三ノ木戸山方面を見上げたもの。少し岩っぽい感じで、歩けるかよくわからなかったので今回は迂回して巻道で下る。


このあたりまで来ると、さっきまでの広く明るい尾根道から、樹林帯のトラバース道へと変わる。
この先は舗装路に出るまでずっとこんな感じ。


ここでブル道?と思しき道と交差。
真っ直ぐ登山道が続いているので、下っていく。


こちらが三ノ木戸山方面。


今までは新緑眩しい木々だったのが、一気に植林の杉林になってしまった。
このあたりの道は轍が深く、場所によっては轍から出て道のそばを歩いたほうが歩きやすい。


しかし三ノ木戸山あたりから一気に標高を下げている。いよいよ石尾根も終わりが近い。


だいぶ里山らしい雰囲気になってきた。


いよいよ石尾根核心部、崩落木橋に到着。

ここは木橋がかなり危なっかしい状態になっており、すぐ横に出来た巻道を歩いていく。


奥多摩駅側は良いのだが、向かい側は巻道に降りるところが少し急。
ロープが垂れており、それを掴んで巻道に降りて歩く。
道は狭いが、一度巻道に降りてしまえば問題ないだろう。


崩落木橋から先は道の縁が石積された道へ。
このあたりは昔は家があったんじゃないかと思う。でないとこんなに丁寧な道にはならないだろうし、横には平坦になっているところがあり、家財道具と思しきものが散乱していた。


そのまま降りていくと舗装路が見える。いよいよ石尾根も終わりだ。


舗装路に出た。いや~石尾根は長かったぞ。


集落に出て、一安心。予想より暑かったこともあり、水がなくなったら嫌だな~とか考えていたのだが、問題なかった。
結局2リットル持っていって消費は1.5リットルくらいだったかな。
途中水場、山小屋等もなく補給はできない。


集落から降りていく道の途中にも廃屋。懐かしいブラウン管テレビが放置されていた。


歩きやすい登山道を歩いて下っていく。


羽黒三田神社に到着。


降りていくとすぐそこが集落になっていて、舗装路へと出る。


この橋を渡って降りてくる。


奥多摩駅は近いぞ~


途中シャガが咲いているのを見て写真を撮り…


異様なトンガリ山を見て写真を撮り…(たぶんこれは鋸尾根の愛宕山かな?180段くらいあるえげつない急階段のあるところ)


山の方を見ては写真を撮る。


そんなこんなで奥多摩駅へ。
奥多摩駅周辺はやけに観光客が多く賑わっていて驚いた。
どうも外国人観光客も多く、こんなところで何をしているのか気になったが、奥多摩ってそんな人気スポットでしたっけ…?

大体登山者ばっかりいるイメージだったけど…。

この後、改札を通ったらちょうど電車が到着した頃で、大勢の観光客が電車から降りてきていた。


榧ノ木尾根、鷹ノ巣山から石尾根歩き、と登りも下りも始めてのルートで少し緊張していたのだが、歩いてみると良い道ばかりだった。石尾根は良いという評判をよく聞いていたが、確かに広い尾根道は中々良かったかな。
全体を通して岩場、痩せ尾根等の危険箇所はなく、安心して歩けるのもポイントが高い。私みたいな高所恐怖症でも安心だ。
とはいえ、細いトラバースや城山の急降下する下りも、少々緊張したが、あれくらいなら全く問題ない範疇だろうと思う。

ところで、倉戸山・榧ノ木尾根ルートを歩く人は少ない印象だったのだが、道中思いの外登山者とすれ違い、意外と歩く人が多い道なのかも、と思った。まあ鷹ノ巣山に登るなら、水根沢、峰谷とルートは他にもあるので、分散しているだけかもしれないが。