春の平標山を歩く

更新日: 2024-06-10 10:21
信越
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山行日: 2024年5月18日

今回は遠出して平標山に登る。
平標山は谷川連峰西端の高峰で、標高は1984m程。なだらかで美しい稜線歩きが出来るとあって、人気の山である。
冬季はドッサリ雪が降るので、雪山装備が必要になるが、今時期なら既に登山道上の雪は溶けており、夏山装備で登山が可能。

山小屋は平標山から南に下ったところに、平標山の家があり、テント泊、宿泊が可能。水場もあるため、飲水の補給も当然できる。

東京からだと日帰りは難しいように感じるかもしれないが、新幹線を利用することで公共交通機関で日帰り登山が可能。
具体的には以下のようなルートで登山口までアクセスできる。
  1. 大宮駅から上越新幹線に乗り、越後湯沢駅下車
  2. 越後湯沢駅から、8時20分発の南越後観光バス、西武クリスタル前行きに乗車
  3. 9時頃、平標登山口バス停に到着
といった感じ。帰りは19時42分平標登山口バス停発が最終便となっている。16時55分発あたりが帰宅には丁度よいバスになるだろう。
※これは2024年5月20日現在の時刻表であり、最新の状況を確認して計画を立ててください。
ちなみに、バスは交通系ICカード非対応のため、現金を準備しておく必要がある。バスの中で両替はできるが、お釣りは出てこないはずだ。

なお、登山口周辺にあるのは、営業しているのかよくわからない学校施設と、駐車場くらいである。飲み物は自販機で調達可能だが、食べ物の調達は出来ない。


登山口に到着。バス停から少し歩いたところに駐車場があり、そこにきれいなトイレと自販機がある。
この日は快晴だったこともあり、登山者は多いかな、と思って一本早めの新幹線に乗ったのだが、全員がちょうど座れるくらいのバスの混み具合で杞憂な心配だった。
平標登山口バス停で下車したのは10人弱。半分ほどの登山者はそのまま乗っていったが、どこの山に登るつもりなのだろうか?


登山口周辺の気温は24度。長袖シャツだとちょっと暑いくらいだ。
涼しいかな、と思って飲水は1.5リットル持ってきたのだが、念の為一本自販機で買っておこうか迷ってやめておいた。まあ平標山の家で補給できるし。


というわけで登山口から登り始める。
登りはじめはずっと坂道が続き、地味にきつい。

最初に言っておくが、松手山経由で平標山山頂までコースタイム3時間~3時間30分というのは、そこそこ早めのペースだと思う。平標山は確かに危険箇所がないため、登山初心者向きの山とたまに紹介されているが、普段山に登り慣れていない登山者が、このコースタイム通りで登れるとは思わない。
このコースタイムは厳しいので、要注意である。
なお、今回登った際は登山口から平標山山頂まで約3時間ほどかかっている。


ひたすら登り続けて開けたところに出る。奥に見える鉄塔が4合目。


去年登ったときも思ったけど、松手山までがつらいんだよなあ、このルート…。


振り返って苗場山。あのあたりはまだまだ雪が残ってますねえ。
一度は登ってみたいけど…。


松手山までは九十九折のよく整備された道が続く。


4合目手前で階段が出現。まあ無くても歩けそうなところではありますが、有り難い。


ようやく4合目に到着。ふ~なかなかきついぜ。しかしまだ4合目。半分も登っていない。


苗場山左のこの山はなんだろうなあ。赤倉山あたりだろうか?


途中少し細いトラバース道も歩きつつ…


良い景色が広がる。スキー場なのか山肌の木がない。
リゾートマンションらしき建物もあるけど、まだ利用されているんでしょうか?


4合目で少し平坦になった、と思ったら早速階段が出現。
このルートがきついのは歩幅があわない階段が多いからかもしれない…。


登りきって開けたところに出ると、目の前に松手山。


そしてこの稜線を歩いた先にあるのが9合目。中央のピークは平標山ではありません。


松手山に到着。


松手山は眺めがよく、休憩スポット。岩が良い感じに転がっているので、岩に腰掛けて少し休む。
う~む、しかし良い景色だ。


なだらかな稜線を歩いて7合目。


ここから一気に斜面を駆け上がる。


草木に囲まれた狭い階段を登り…


ザレた斜面につけられた木段を登って…


ようやく9合目が見えてくる。


振り返ってこの景色。最高だ。


中央のあたりに人が留まっているのが9合目である。その先にピークが見えるが、あれを超えて、その先にあるのが平標山山頂。まだまだ長いぞ!


9合目に到着。ここでパンを食べて休憩。ひたすら続いた登りに足が結構疲れてきている。
これから仙ノ倉山まで往復しようってのに、果たして大丈夫なのだろうか。


と、ここでズームして見ると積雪した山が見える。北アルプスだろうか?


良い景色だ~最高!平標山最高!


ようやく平標山山頂が見えてきた。既に登山者が数人いるのが見える。


既に良い稜線だ。前回来た時はガスってて何も見えなかったから、今回は感動。
新幹線のお高い交通費払ってきただけある。


もうちょっとで山頂…!はやる気持ちを抑えつつ着実に進む。


やけにヘリの音がするなあ、と思ったら前仙ノ倉山あたりの登山道上にヘリがホバリングしていた。遭難者の救助だろうか?(捻挫?の要救助者の手当をしていたらしい、という噂)


平標山山頂に到着!
山頂はそこそこ広いがベンチ等はない。
前仙ノ倉山方面に降りていくと、ベンチがあり、そこで休憩をしてそのまま仙ノ倉山へ向かうもよし、山頂で腰をおろして休憩後、平標山の家へ降りていくのもよし。


こちらは平標新道方面。
まだ雪が斜面に残っている。


こちらは平標山の家方面。赤い屋根が平標山の家。


こちらは八海山とか尾瀬の方。右側がたぶん尾瀬。


この稜線を1時間くらい歩くと仙ノ倉山へ着く。
道中は木道となっており、危険箇所は特にないが、前仙ノ倉山付近は少し道が狭いところがある。

なお、写真では見えないが、下っていったところにベンチがある。


良い景色だ…。これを見に来たんだよ俺は。


山頂でご飯にしようと思ったが、やっぱり少し降りてベンチに腰かけることにする。


降りていくとベンチが見えてきた。


雲がかかって登山道が暗くなる。
樹林帯の低山では見ることが難しい景色だ。


ベンチで休憩後は、木道を歩いて仙ノ倉山へ。
左のピークが仙ノ倉山。


こっちは谷川岳主脈かな?
約20kmほどのルートだが、これを日帰りで踏破する人がいるらしい。距離自体は長いが歩けないこともないように見えるが、累積標高差が恐ろしく大きく(確か2700mくらいある)健脚向きのコースだ。
谷川岳主脈の道中には、谷川岳の山小屋と平標山の家を除いて、山小屋はない。避難小屋が数か所あるが、どれもカビ臭いらしく評判が良くない。
水場も一箇所だけあるらしいが、登山道から少し離れているらしい。


中央の山肌に木道がついているのが仙ノ倉山。


だいぶ近づいてきた。平標山までの道で既に足がだいぶ疲れており、ヒーヒー言いながら歩く。


仙ノ倉山に到着!
仙ノ倉山山頂も少しばかり広く、平らだ。山座同定盤と、山頂標があるだけのこじんまりとした山頂である。

この時は10人弱の登山者が休憩だった。
私もここで少し休憩。その間も数人の登山者がエビス大黒ノ頭方面から歩いてきていた。思いの外谷川岳主脈に挑戦する登山者は多いらしい。


谷川岳主脈。私は谷川岳にはまだ登ったことがないので、どれがどれだかサッパリわかりません。


平標山方面。


奥のうっすら見えている山が赤城山だっけな…。このあたりは登ったことがないから山座同定全く出来ないんですよね~


というわけで平標山へ戻ることとする。


2回ピークを超えて、平標山への登り返しだ。先が思いやられる。


しかし良い道だ…。もう何も言うことはあるまい。


平標山山頂への登り返し。大勢の登山者が歩いている。この登りが結構辛いんだよな~


この道は何度歩いても良い。名残惜しいが時間も時間なので下山だ。


帰りは平標山の家を経由して下山する。こちらは松手山ルートほど急ではないが、最後の林道歩きが長い。


途中ぬかるんでいるところもあるが、この日は晴れているせいかだいぶマシだった。


どんどん降りていく。ここも木板の階段で歩きやすい。ただよそ見をしていると、木板の間に足が落ちて怪我すると思う。


平標山の家に到着。テント場があったので、怪しまれない程度に凝視して観察する。
私もテント泊はやりたいのだが、過去2回はキャンプ場利用で周りに登山者のテント泊が居らず、あまり他の人の行動を見て勉強に出来ずにいる。
山のテント場は貴重な観察の機会である。


平標山の家。
手前のシンクが水場。左側はドリンクが冷やしてあり、購入して飲むことができる。


右に前仙ノ倉山。まだ雪が残っていてパンダになっているのが良い。


沢を雪解け水が流れるゴー!という音が響いている。


こちらは有料ドリンク。
ビールとコーラが多い。ほしい人はお金払って買ってください。


奥に進むと別のテント場。この奥に三国峠へ通じる登山道がある。


三国峠へ通じる登山道。


休憩したし、林道歩きが長かったよな~と思って、余裕を見て下山を開始する。
バス一本逃すと悲惨なことになりかねないのだ。


平標山の家からの下山道もよく整備されて歩きやすい道が続く。


斜度が緩やかになってきたら登山口が近い。


登山口。ここからしばらく林道を歩いて行く。かなり長い林道歩きだ。


途中伐採作業中なのか重機の音が響いていた。


途中のチェックポイントであるゲート。


このゲート脇から道があるが、これはどうやら冬季ルートらしい。
冬季はここから登っていくのだとか。


水場。これは飲めるのかわからないけど。


ずっと林道を歩いていくと橋があり、そこを少し過ぎたところから登山道へ入る。正直、この道を歩かなくても舗装路を歩いて行っても良いはずなのだが、折角なのでこちらを選択。
途中渡渉したりもするが、全体的に道は明瞭、危険箇所もなく歩きやすいほぼ平坦な登山道が続く。


というわけで駐車場前まで戻ってくる。

この後は駐車場まで行ってトイレにいったり自販機でコーラ買って飲んだり…。
まだまだバスまで時間があるのでのんびり休憩して荷物を整える。


まだだいぶ早いが他にやることもないのでバス停へ。
既に一人バス停に並んでいて、話を聞くと、早朝から谷川岳主脈を縦走してきたらしい。
一本前のバスに数分間に合わず、こうして数時間バス待ちしているらしいが…。


私もバス待ちの列に加わり、スマフォを見たり、カメラを取り出して稜線を眺めたり。
しかし本当にやることがない。それに虫が多くとにかく鬱陶しい。虫除けを持ってくれば、と後悔した。


というわけで今回は快晴の平標山。
少しは成長しているかと思って、松手山コースの時間を去年6月に登ったときと比べたが、ほとんど変わらないどころか少し遅くなっていた。
もうこれ以上体力がつくことはあるのだろうか?所詮週イチ登山じゃ、これが限界か…。

そんなネガティブな話は置いておいて、やはり平標山は素晴らしい。なだらかな稜線歩きが東京から日帰りで楽しめるとあっては、人気になるのもうなづける。
まあ大半の登山者は自家用車で来ているようだが。