初夏の御前山を歩く

更新日: 2024-06-15 13:43
奥多摩
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山行日: 2024年6月8日

今回は奥多摩駅からバスに揺られて15分、奥多摩湖へ。
目的は奥多摩湖から大ブナ尾根を歩いて御前山に登ることであります。

御前山は、春になるとカタクリが咲くことで登山者に人気の山。山頂からの見晴らしは期待できず、他にこれといって特筆すべき点もないことから、カタクリ狙いの登山者が多い、春がベストシーズンと思われる。

私も春に登ろうと思っていたのだが、他の山に登っていたらうっかり旬を通り過ぎてしまっていた。

登りで使った大ブナ尾根は、奥多摩三大急登の一つとして挙げられることもあるくらい急坂の連続。特に登山口からサス沢山まではきつい登りが続く。
サス沢山から惣岳山までは、傾斜は若干緩み、歩きやすくなる。
惣岳山から御前山までの道は、都民の森の一部となっているのか、植生保護のための木の柵で登山道が囲われており、遊歩道のような雰囲気の道となる。

下山は御前山避難小屋経由で、栃寄沢沿いを下る道を利用。こちらは、登りで使った大ブナ尾根よりさらに1~2段ほど歩きやすい道。途中から都民の森に突入し、一層歩きやすい道となる。
都民の森は色々な散策道が存在するため、分岐がやけに多いのだが、道標が多く設置されていることもあり、道に迷う雰囲気ではなかった。

全体を通して、一部岩っぽい箇所もあるものの、手を使うまでもなく歩くことができる。痩せ尾根、鎖場等の危険箇所はなく、道もわかりやすく歩きやすい。

単純に御前山に登るだけなら、少しばかり距離が短いため、境橋まで下山した後はバスを使わず、奥多摩むかし道を歩いて奥多摩駅へ向かう。
こちらは、大半の道が舗装路歩きとなるため、人によってはつまらないと感じるかもしれない。


奥多摩駅で下車した時は、既にバス停に列が出来ており愕然としたのだが、奥多摩湖行きの臨時バスが出たため、バスで座ることができた。
とはいっても、片道15分程度の道のりなので、仮に座れなくてもそんなに辛くはなかったと思われる。

バスの半分くらいは水根で下車。恐らく水根沢ルートで鷹ノ巣山に登るのかもしれない。
もう半分は終点の奥多摩湖で下車。


バス停近くに公衆トイレがあり、用を済ませて登山口へ向かう。
そこそこの登山者がいたのだが、結局この後すれ違うことはなかった。

ダムの堤防の上を歩いて登山口へ向かうのだが、見るからにきつそうなピーク。


先行する登山者はペースがやけに早く、私が登山口すぐの急登に手こずっている間に見えなくなった。

登山口から少し進んだところに展望台があり、そこまでは階段状の道が続く。


ここから登山道に突入。早速、急坂が待ち受けている。


この急坂が本日のハイライト。
うっかりバランスを崩せば間違いなく下に転がり落ちて大怪我だ。
岩がちで、砕けたような細かいパラパラとした地面で、少し滑りやすいような気がした。


最初の急坂を登りきると、また坂道。


尾根を堺にして、雑木林と植林が分かれており、以下にも奥多摩らしい雰囲気。


登り続けること1時間、サス沢山に到着。
シニアの登山者が一人休憩していたのだが、先行していた登山者は誰一人として見えず。

ここはベンチがあり、展望台もあるため休憩には適している。


中央左に大寺山。白い点は恐らく宗教施設の建物と思われる。

右に倉戸山、榧ノ木山が見える。倉戸山まではやはり急坂。倉戸山から榧ノ木山までは、なだらかな登山道が続いているのがわかる。

しかし空が夏っぽくなってきた。分厚い雲が浮いている。


サス沢山から最初はなだらかな道が続く。


と思ったら再び坂道。特にこれと言って変わったところのない、奥多摩らしい道。


ある程度登ると、岩が見えてくる。
巻道があるのかと思ったら中央を歩いていく道。


正直少し身構えたのだが、歩く分には全く問題なく通過できた。


そのまま進んでいくと、広く平坦な尾根道へ。


少し狭く、尾根を少しだけ外した道を歩く。片側は斜面。


また岩が出てくるが、この巨石は左右どちらでも巻ける道があった。


巨石の場所から登っていくと惣岳山。
山頂は樹林帯に囲まれており見晴らしはないが、ベンチがいくつかあり休憩している登山者は多い。


惣岳山から御前山までの道は植生保護のため木柵に囲まれた道。
ここまで来ると遊歩道みたいな道。


途中都民の森経由で下山する分岐がある。


御前山への登り返し。このあたりになると大勢の登山者とすれ違う。


途中から木の階段へ。


ベンチの置いてある見晴らしスポットらしきものもあるが…樹林に囲まれて特に見晴らしはなかった。



約2時間で御前山山頂に到着。
山頂は10人超の登山者で賑わっている。


御前山山頂からは木が邪魔で見晴らしは期待できない。
わずかに向かいの石尾根と思われる尾根筋が見えるくらいだ。


御前山の山頂標。

御前山山頂は若干広めでベンチが多く設置されている。混んでいたら少し下ったところにある避難小屋でお昼を食べようかと思っていたのだが、ベンチが空いていたので、ここでお昼休憩。
その間も続々と登山者が登ってきており、山頂は賑やかだ。


休憩が終わったら、栃寄沢方面へ下山する。
こちらも山頂直下は木の階段になっており、よく整備されていることがわかる。


鋸山方面と避難小屋への分岐。


今回は上の写真の方へ歩いて、御前山避難小屋を目指す。


分岐から少し歩いて避難小屋に到着。
反対側にトイレがある。


こじんまりとした避難小屋だが、窓が大きく、電気が無くても室内は明るい。
カビ臭さもなく、キレイで良い避難小屋だった。ここに一泊してみるのも面白そうだ。


避難小屋からはそれほど眺めは良くない。


避難小屋から少し進んだところに眺めの良い場所があった。


相変わらずこの道は歩きやすい。
少し滑りそうなところもあったものの、全体的に緩やかな道が続く。


ここで分岐。
カラマツの広場・シロヤシオの広場どちらも興味はあるものの、計画通りシロヤシオの広場方面へ。


とその前にカラマツの広場はすぐそこのようだったので、少しだけ寄り道して東屋を見物。
もう一つ何か建っていたような跡地が見えたのだが、よくわからず。


さっきのカラマツの広場・シロヤシオの広場の分岐から先は、急に分岐が増える。大抵道標が設置されていることもあり、道迷いの心配はないと思うが…。

どうも都民の森の散策路になっているらしく、それで分岐が多い模様。


中には作業道みたいな道もありそうだが…。


歩いていくと巨木に遭遇。ここは分岐点になっている。


ここは活動の広場が気になったので左側の道へ。


1分程度歩くとすぐに活動の広場らしき場所へ。
避難小屋かな?と思ったのだが、ドアは施錠されており中には入れなかった。

壁に設置されているベンチで休むことができるだけの東屋らしい。


正直、御前山の避難小屋よりもしっかりした作りに見えるが…。
何の施設なんだろうか。


近くにはトイレ。


やけに水が流れる音がするなあ、と思っていたら水がジャボジャボと流れていた。


またまた分岐。
右側の広い道を歩いてもよいのだが…


ここはわさび田の広場が気になったので、活動の道へ。


少し細い九十九折の道を下っていくとわさび田の広場に到着。
写真左側に沢があるのだが、水はもはや流れておらず、わさび田って清流が流れる沢の中にあるものなのでは?と頭の上にはてなが浮かぶ。
もうわさび田は無くなってしまったのかもしれない。

しかし、ここの都民の森は全く人の気配がない。三頭山の方にある都民の森はもっと賑やかだったんだが…。


わさび田の広場からは舗装路を歩いて行く。
ここから長い長い舗装路歩きが境橋まで続く。


そのまま何気なく舗装路を下っていたら向かいに登山道らしき道が。
どうやらあっちが登山道という建前らしい。まあここまできたら、もうどっち歩いても同じだけど…。


登山道入口。


また沢に突き当たる。
こっちは水量が豊富。しかし全く人がいない…。


沢沿いにモノレール乗り場。


そしてトイレ。

この後、舗装路を歩いて境橋へ向かうのだが、約1時間強舗装路を歩いて山を下り続けた。
道中少しばかり写真も撮ったのだが、正直特にこれといって感想はない。
建物がある当たりまで降りていっても、相変わらず人の気配が薄く、人の姿を見たのは氷川漁養魚池まで歩いたところだった。


斜面が伐採されているのは恐らく、鞘口山から伸びる尾根だろう。踏み跡は薄いらしいが歩ける道らしい。正直、下山はあっちの尾根道を歩こうかと思ったのだが、一部かなり踏み跡が薄い場所もあるらしく、下山で使うのは少々不安だったのでやめておいた。


ハコスカ?
部品が取られてガワしか残ってないように見えるが…。

沢沿いの道が使えれば、舗装路歩きもショートカットできたのだが…。


ところどころに舗装路をショートカットする道があるのだが、すべて通行止め。だいぶ踏み跡が薄くなっていたので、このまま廃道になるだろう。


というわけで境橋まで歩いてきて、ここから奥多摩むかし道へ入る。
むかし道、といっても大半は舗装路で、登山的な楽しみはない。


この地形によく家建てたなあ、という感じで集落がチラホラ。


途中の公衆トイレ。
ここもOPTが管理しているのか、キレイそうなトイレだった。


ところどころコンクリートの陸橋が見えるのだが、恐らくこれは水根貨物線。
昔、奥多摩湖を作るときに資材を運んだ線路らしい。今は当然機関車は走っておらず、放置されているのだが、好きな人はこの廃線を歩いていたりする。
途中、かなり危なっかしいところもあるようだが…。


この木倒れそうだなあ、と思ってみていた。この先にある東屋で、散歩中のおじいさんと遭遇し、しばし雑談。


東屋から少し進むと山道に入る。ここも下に水根貨物線が走っている。
上の写真で少しだけ、写真左側に続く踏み跡のようなものがあると思うのだが、狭いトラバース道を歩いていくと線路に降り立つことができる。

折角なので、線路に降りてみることにした。


線路に降りるとトンネル。
恐らく第四氷川トンネルだろう。
そこそこ距離のあるトンネルらしく、途中で曲がっているようで真っ暗闇だ。
歩いて反対側に抜けれるようだが、一人で歩くには怖すぎるので入口を眺めるだけ。


反対側はヤブっぽく、果たして歩けるのかどうか…。

廃線見学を終えて、山道に戻っていると、先程のおじいさんと遭遇。
おじいさん曰く、ここはよく何かの撮影をやっているのを目撃するとのこと。

おじいさんは、子供の頃は近くの部落に住んでおり、当時はこの水根貨物線も機関車が走っていたらしい。
機関車に飛び乗って遊んでいたらしいが、当然危ないので怒られたとか。


おじいさんとそのままむかし道を歩いていくと、途中でトンネルが出現。
こっちはかなり短いようで、出口から明かりが入っているのが見える。

立入禁止の看板もあるし、歩けないですよねえ?と一応おじいさんに聞いてみたところ、歩けるという。
というか、おじいさんは、往路はこのトンネルを歩いてきたんだ、と言う。
折角だから歩いてきなよ、と言われたら歩かざるおえない。正直、ヘッドライトなしでも問題ないくらいではあるものの、暗いところは地面がどうなっているのか全くわからず、なかなかに怖い。
しかもトンネルの中は雨漏れしていて水がポタポタと滴っている。そのうち崩落したりしないだろうか?と早足で抜ける。


数十秒でトンネルの反対側に出てくる。


その先は雑草が生い茂っているが、雑草が踏み固められた一本の線が続いている。


そのまま歩いて数十m進んだところで舗装路に合流。


この日の奥多摩は、100縁市というのをやっているらしく、店の軒先に商品を並べて販売している人もいた。
早く帰って汗を流したかったので、スルーしてきたが、せっかくだしもっとちゃんと見れば良かったな、という思いも。