尾瀬夜行は金曜夜出発と、土曜日夜出発の日程がある。
今回は分け合って、土曜日夜出発の日程となった。
早めに浅草についたため、浅草寺などをのんびり観光する。
言うまでもなく、こっちはスカイツリー。昔はよく夜景を撮りに来てたけど、今はさっぱりだなあ。
浅草を23時45分に出発後、3時過ぎに会津高原尾瀬口駅に到着。
ここで4時30分まで仮眠タイム。この間は乗ってきた特急の中で過ごす事ができる。当然、電車を降りて駅舎に移ってもよいが、駅舎の方はトイレと自販機くらいしかない。
どうやら2024年10月から会津高原尾瀬口駅と沼山峠を結んでいたバス路線が廃止され、会津田島駅発着になるらしい。
これに伴い、尾瀬夜行も会津田島駅まで行くことになるらしい。
それで今年は仮眠タイムが4時30分までなのか。確か去年は4時までだったはず。
私は利用したことがないけど、食堂も閉鎖されるらしい。
時の流れってやつでしょうか。しょうがないね…。この駅、確かに利用者少なそうだしな…。
この後、尾瀬夜行で用意された、5時発のバスに乗り駒ヶ岳登山口バス停を目指す。
予定通り駒ヶ岳登山口バス停に到着。
ここで降りた登山者は数人ほど。多くの尾瀬夜行利用者は沼山峠まで行くのだろう。
バス停からほんの少しだけ坂を登ったところに公衆トイレがある。ここのトイレはかなりキレイ。
沢沿いの舗装路を歩いて登山口まで向かう。
途中、登山口への近道の登山道がある。
登りはここを歩いて登山口へ向かうこととする。
近道の山道は難所はないが、道が全体的に細く、すれ違いはしたくないなあ、という感じ。
歩く分には難所もなく問題なし。
そんなこんなで登山口に到着。
なお、自家用車で来た人はこの近くに駐車場があり、今まで歩いてきた道をショートカットして進む事ができる。羨ましい限り。
登りはじめが急登だが、登っていくと次第に緩やかになっていく。
駒の家まではとにかく登り一辺倒なので、体力勝負の道だ。
しかし序盤はとにかく急登に次ぐ急登。
空が見えるところもあるが、まだまだ樹林帯。森林限界を超えて景色が開けるのはまだまだ先。
半分くらいまで登ったところで、ベンチのある休憩スポット。
ここは水場も近くにあるらしい。
とにかく進む。先はまだ長い。
東隣の尾根が見える。
眼の前が開け、ようやく山頂付近まで登ってきた。
このあたりにまたベンチがある。
尾瀬らしい木道を歩いて行くと…
修理中の木道とその先に、駒の家の屋根が見える。
ようやくここまで来たか、と一安心。
しかし木道の修繕作業をされている作業員の方たちは毎日登って来ているのだろうか…?
駒の家に到着。
数人の登山者が駒の家前のベンチで休憩中。
駒の家から少し降りたところにもベンチがあり、大きめの池塘も。
ガスってはいるが、景色が見えるだけ良かった。
中門岳方面に歩いていくと、駒ヶ岳山頂と巻道の分岐。
とりあえず中門岳への往路では会津駒ケ岳の山頂を踏んでいくこととする。
このあたりは風が通りにくいのか、とにかく湿気ている。今までの木道は乾いていたが、この周辺だけはなぜだか濡れていた。
少しばかり登ると会津駒ケ岳山頂に到着。
よく見る山頂標だが、ここで鋭角に曲がっており、右側に行くと中門岳となる。
山頂を後にして、中門岳方面へ向かう。
登山者は少ないんじゃないかと思っていたが、中門岳に向かって歩いていれば1人、2人くらいは視線に入るくらいの登山者がいた。
なだらかな稜線歩きだが、地味にアップダウンがあり、ここまで歩いてきて疲れ気味の足だと若干きつい。
中門岳までは地味に距離があり、往復2時間くらいがコースタイムとなるため、時間が厳しそうならスキップするのもアリ。
しかしこの稜線歩きは魅力的。是非頑張って歩きたいところ。
地味に続くアップダウンに呻きながら、歩き続ける。
中門岳はどこなんだ…。
ようやく中門岳の道標が出てきた。が、木道はまだ奥へと続いている。
そういえば、中門岳の道標が途中で出てくるけど、実際の場所は奥、とどこかで読んだような気がする…。
とりあえず奥へと歩いてみる。
ようやく本物の中門岳らしき場所に到着。
あるのはベンチと池塘のみ。うっかり写真を撮り忘れたのだが、ベンチに座って撮った写真があるので、それで勘弁してほしい。
というわけでベンチで少し休憩したら駒の家に戻る。
うーむ、駒の家まで地味に遠いな。
奥の山頂が会津駒ケ岳山頂。復路は巻道を通る予定である。
ちょうど巻道へ進む登山者。
巻道と会津駒ケ岳山頂の分岐点から中門岳方面。良い稜線歩きだった。次回歩くなら、ガスってなくて晴れた日に…。
会津駒ケ岳の巻道は湿っていて滑りまくるので要注意、という評判を聞いていたのだが、歩いてみると全くすべらない。
どうも最近木道が修繕されて新しくなっているためと思われる。
いや~感動。良い道だ。正直、滑って斜面側に落ちるとタダでは済まない感じなので、結構ヒヤヒヤしていた。
あっという間に巻道を抜けると、駒の家と、木道の修繕作業中の様子が見えてくる。
復路は駒の家によらず、一気に駒ヶ岳登山口まで下山する。
登ってきた道をピストンで戻るだけ、ということもあるが、この道は本当に特筆すべき点がないくらいよく整備された道なので、写真はなし。
駒ヶ岳登山口バス停まで戻ってきたものの、なにか冷たい飲み物を買いたい。
周囲を見ても自販機すらありそうにない。周辺になにかないかと探したところ、檜枝岐村ストアというコンビニのような小規模なスーパーのようなものがあることがわかった。
駒ヶ岳登山口バス停からは、だいたい歩いて10分ほど。この近くにバス停もあるので、ここからバスに乗ることにして、飲み物をここで調達。
このストア、広さ的にはちょっと広めのコンビニくらいだが、日用品から飲み物、アイスクリーム、お菓子など一通り揃っている、地元の方向けの店。
飲み物の値段は東京の自販機より安い。
この後、飲み物を飲んで休憩したら、沼山峠に向かうバスに乗車して、御池へ。
バスには数人の一般人が乗っていた。どうやら檜枝岐村の民宿に泊まりにきたような感じだったがよくわからず。
御池ロッジに15時にチェックイン。
受付で予約していることを告げ、宿泊料を支払って簡単に説明を受けると、自部屋まで。
部屋は6畳の畳部屋で、入口に洗面台と押入れのあるスペースがある。
トイレは共用。
押入れに入っていた座布団と扇風機。
冷房はないようで、暑いときは扇風機で涼んでね、ということだろう。
部屋はこんな感じ。
小さいテレビはBSのみ視聴可能。
1人で過ごすには十分過ぎる広さだ。逆にこのこじんまりとした感じが落ち着く。
畳の縁は尾瀬仕様。
1階に洗濯ルームがあり、洗濯機二台と乾燥機一台がおいてある。
売店で利用料(洗濯機300円、乾燥機200円)と洗剤(50円)を購入すると利用可能。洗剤は買わなくても良い。
ちょっと早めの夕食を食べに食堂へ。
ポットや電子レンジ等、一通り調理に必要そうな設備が揃っている。
食器類もあるが、私は使わなかった。
夕食を食べ終え、部屋に戻って荷物を整理したり、布団でダラダラして過ごす。
今回は歯ブラシを持ってこずに、赤ちゃん用の歯磨きシートで代用してみた。2泊3日くらいなら、これで大丈夫かな。
出発が早いので、事前に軽朝食を受け取っておく。
パンとおにぎりが選択できて、今回はパンをチョイス。
中身はパン3つと燻製卵。燻製卵はおにぎりを選択しても付いてくるが、しっかり香りがついていて美味しい。
布団でダラダラして、気づいたら寝落ちしており、夜中に一度起きる。外を見ると雨が降っていて霧で見えなかった。
うーむ、これは明日燧ヶ岳登れるのか?と思っていたが、起きてみると晴天で雨は降りそうにない。
雨だったらバスで沼山峠まで移動後、大江湿原、尾瀬沼と歩いて見晴を目指すつもりだったが、これなら、と予定通り燧ヶ岳に登ることにする。
御池の駐車場置くから登山道に入ると、すぐに燧ヶ岳への分岐がある。
ここを歩いて行くのだが、早速なかなかの坂道の連続。途中大きめの岩もあり、全体的に湿った感じ。
木道も朽ちてボロボロになっているところも多く、先が思いやられる。
思うに、尾瀬の森は人の手が入ってないせいか、とにかく下草が密集して生えており、風通しが悪いのが、湿度の高い原因なのでは、と思う。
そういうところは大抵木道が朽ちていたり、苔だらけで滑りやすかったりする。
途中階段も。
見ての通り朽ちた木道。
尾瀬の木道はこんな感じに朽ちた木道が度々存在する。特に燧裏林道とか…。
岩に苔がついて滑りやすい道。
昨晩の雨のせいか、葉っぱに水滴がついていて服も濡れる。
しかし道の雰囲気はきらいじゃない。
奥武蔵みたいな植林の道よりかは変化があって楽しい。
振り返ると大杉岳?
とはいえ、まだまだ樹林帯の道が続く。
御池登山道は、急登と水平の道が交互に来る道となっており、なかなかに体力を消耗することから、距離の割に歩行時間は長め。
累積標高差なども考えて、1時間くらいはコースタイムを巻けるんじゃないかと思っていたが、結局柴安嵓までコースタイムよりちょっと早いだけの3時間程度かかった。
途中しっかりと整備された木の階段もあるが、これはレア。
途中苔と松の赤ちゃん?を撮りながら進む。
登山道自体は変化があり楽しい道だ。
少し開けてきたが、正面はまだ俎嵓ではない。
最初の急登区間が終わり、水平区間へ移ろうとしている。
最初の水平区間へ。
ここが広沢田代。
振り返って大杉岳かな?奥に会津駒ケ岳があると思うのだが、見えない。
広沢田代の池塘。
風が凪いでいて、空模様がキレイに反射している。
進んでいくとまた急登区間へ。
ここで初の完全に朽ちた木の階段が登場。
この先も何個か登場するが、とにかく歩きにくい箇所が何箇所もある。
またまた振り返って会津駒ケ岳方面。
しかし天気予報では、この日が一番天候が悪い予報だったのだが、キレイに晴れている。
苔た石の道を歩き…
ようやく五合目。
このあたりから、景色が見渡せるようになってくる。
時折現れる景色に感動しながらも、ひたすら進む。
ようやく第二の水平区間に到着。
ここからしばらく熊沢田代。
熊沢田代から俎嵓が見える。
まだあんなに登らないと行けないのか…と思うとちょっと衝撃。
俎嵓から柴安嵓の間も鞍部の登り返しがあるんだよね…。
その先は評判の悪い見晴新道だし、無事見晴まで辿り着けるのだろうか、と一抹の不安。
大きな池塘に空が反射している。
熊沢田代は最後のオアシスだ。
途中大きめの岩を超えながら進む。
ところどころ、進んで行けそうな熊笹の生えていない箇所があるのだが、どうやらただの崩落箇所なのか、ロープで立ち位置禁止とされていた。
登りで歩く分には迷い込むことはないと思うが、下りで歩くときは要注意。
笹が狩られた道を歩き…
歩いてきた道を振り返りながら…
ガレ沢に到着。
このガレ沢がなかなかの曲者。斜度が大きいこともあるが、とにかく歩きにくい。
また、落石も起きやすいので後ろに登山者がいる場合は要注意。
だいぶ標高を上げてきて、一層見晴らしが良くなってきた。
若干の高度感に狼狽えながらも、崩落地も通過して…
ようやく俎嵓への最後の登り。
チラッと柴安嵓が見え、やる気が出たところで…
俎嵓山頂へ。
山頂は狭く、岩がち。
とはいえ、高所恐怖症の私でも大丈夫な程度には安心感のある場所だった。
上の写真は俎嵓から見える尾瀬沼。
こっちは柴安嵓。の左に小さく尾瀬ヶ原と至仏山が見える。
俎嵓山頂標。
俎嵓から柴安嵓方面は若干高度感のある岩場。
そこを通過するとすぐにハイマツが茂った登山道へ。
ちょうど頭の高さでハイマツのトンネルになっているため、中腰で進む。
ハイマツのおかげで高度感がなく高所恐怖症の私でも安心ではあるのだが、中腰がつらい。
鞍部の木道でザックを下ろして休憩したら、一気に柴安嵓へ登り返す。
振り向くと俎嵓。
燧ヶ岳の山頂標。
俎嵓とは打って変わって、柴安嵓の山頂は広めで、それほど岩っぽくもないため、休憩には適している。
流石にこの日は平日ということもあり、誰もいなかったが、この後俎嵓から同じルートを歩いてきた登山者が1人、そのすぐ後、見晴新道を登ってきた女性グループが到着。
柴安嵓から尾瀬ヶ原。残念ながら雲に隠れて至仏山は見えない。
見晴新道を歩いてきた女性グループの人に、登山道の状態を聞いてみたが、泥濘はそれほどということだった。
確かにグループの足元を見てみると、それほど激しく泥だらけ、ということもなく、ハイカットシューズの下の方に泥がついているくらいだ。
これなら大丈夫そうだな、と思ったが、見晴新道方面を見てみると如何にも高度感がありそうな道が続く。
うーむ、高所恐怖症の私でも大丈夫だろうか、とドキドキしながらとりあえず歩いてみることにする。
しばらくはガレた登山道。
次第にハイマツが登山道に侵食してきているものの、道は明瞭。
このあたりは特にこれといって問題なし。ガレ・ザレの道といった感じだが、御池登山道を登ってきた人なら問題なく歩けるだろう。
その後樹林帯の道に突入し、急登を下るような道になる。
とはいえ、足を置くところ、捕まる木も多くあるため、慎重に下っていけば特に問題なし。
八合目。
このあたりから急登が終わり、泥濘がひどくなる。
岩も湿っていて滑りやすいので要注意。
ここは落差が大きく要注意。
階段が出てきて、このあたりから男性オペラ歌手のような歌声が聞こえ始める。
「え、なに、幻聴…?」と思いながら歩いていくと徐々に声が大きくなり始め、幻聴ではなく、登山者が歌っているようだった。
曲名はわからないが、断片的に聞こえてくる歌詞からして、歌い手が私に危害を加えるような人物には思えなかったため、ためらわずに進む。
五合目の看板付近で、歌い手とすれ違ったのだが、そのときは歌うのを辞めていた。
流石にすれ違う時は歌わないのだろう。
五合目付近から、一層緩やかに下る道になり一安心。
途中階段や急な下りが部分的にあるものの、大半は樹林帯のなだらかな道。
泥濘んでいるところもあるが、回避できる足の置き場所があったため、難なく歩くことが出来た。
と油断していたら、ここで思いっきり滑って転びそうになる。
転んだはずみで、ズボンのポケットからスマフォが飛び出たが、落下防止のチェーンをつけていたため、泥だらけにならず事なきを得る。
いや~チェーンつけてて良かった…!とこれほど思ったことはない。
ここもだいぶ泥濘んでいる。
2合目?
このあたりになると、似たような樹林帯の道で少々飽き気味。
特に雰囲気も変わらず、どんどん斜度は緩やかになって、見晴までの距離が長い。
だいぶ道もしっかりしてきて、泥濘もほとんどないな~楽勝だ、と油断していたら、再びここで転びそうになる。
最後の方はこんな感じでほぼ平坦な道。
ようやく尾瀬沼方面からくる道と合流し、見晴新道はこれにて終了。
思っていたより厄介な道ではなかったけど、また歩きたいかと言われるとちょっともういいかな…。
木道を歩いて見晴の小屋エリアへ。
ここは数件の小屋が密集しており、尾瀬の中でも特に人が多いエリア。
どの小屋も趣のある素敵な佇まい。
時間と金があるなら、全部の小屋に一泊してみたいところだが…。
今回宿泊予定の尾瀬小屋に到着。
小屋前のテラスには数人の登山者が休憩中。既に尾瀬小屋の売店で料理を注文して、おしゃれな料理を食べている人もいる。
尾瀬小屋のチェックインは12時から。
まだ時間があるので、周辺をブラブラ。
この日は雲はあるが、至仏山がバッチリ見える。
が、燧ヶ岳はガスの中。
見晴地区の案内図。
テント場もある。
とりあえずなにか食べるか、と思い、檜枝岐小屋に入ってかき氷を注文。
しかし至仏山がよく見える。
明日登るのだから、当然ワクワクしている。
ちなみに、見晴新道を歩いた足元はこんな感じ。
泥は登山靴についているが、それほどという感じ。
ズボンはずっと履き続けるので、汚れないように靴下に入れておいた。
ゲイターは使わなかったが、まあなくても良いかな、という印象。
尾瀬のテント場。
平日にもかかわらず数張りのテントが。
来年はテント泊も良いよな~なんて考えている。
尾瀬は水量豊富なため、水を飲んでいればお金はかからない。
しかしお茶のペットボトルとなると500mlで400円~500円程度はする。
少しでも節約するため、今回は麦茶の元を持ってきた。尾瀬の水にこれを入れてお茶を作ろうという魂胆である。
これは結果的に大成功して、ペットボトルを追加で購入することはなかった。
チェックイン後、汗も乾いたらチェックインして自分の部屋へ。
ここも御池ロッジと同じく六畳の畳部屋。
妙に落ち着くこの雰囲気はなぜだろうか。
廊下。棚は荷物置き場。
しばし小屋内を散策。
談話室には田中陽希のサイン色紙。
他にも色々な写真が飾られていた。
談話室には大きめのテレビもあって、DVDが見れるらしい。
こちらは食堂。しかしキレイだ。
こちらは女性用の洗面所。奥に男性用の洗面所がある。
洗面所の向かいにトイレと浴室。
廊下。
小屋内の散策を終えて、外をブラブラ。
写真はトリカブト。とにかくこの周辺にはトリカブトが多い。
かき氷を食べた檜枝岐小屋。
尾瀬小屋の入口。
尾瀬小屋のテラスから見える至仏山。
夕方になって陽の光が指した至仏山。このまま夕焼けが見えればな~と思っていたのだが、雲が多く見えなかった。残念。
本日のメニュー。
夕食はなんと豚肉の赤ワイン煮込。本当にここは山小屋なんだろうか?というくらい美味しそうな献立だ。
夕食の準備が出来ると、夕食を食べる宿泊者は食堂へ集まるようにと館内放送がかかる。
フロント近辺で暇を潰していた私は一目散に食堂へ駆け込む。
期待通り美味しそうだ。ご飯は自分でよそうスタイル。
豚肉一欠片で茶碗いっぱいいけるな…と思いつつも食べすぎると明日が辛いので、茶碗2杯でやめておいた。
夕食を食べ終わり、早速カメラを持ってテラスへ。
夕焼けを取ろうと思っていたが、雲が多く、何も撮らずに近くにいたテント泊の登山者と雑談して過ごす。
すっかり夜も更けてきて、あたりは真っ暗。
尾瀬小屋の消灯時間は20時と若干早めなので、寝る支度をして布団でまたダラダラして過ごす。
この日も気づいたら眠っていて、午前3時頃にふと目が覚めた。
夕方には雲が多く、これじゃ星空は無理だな、と思っていたのだが、窓からチラリと外を見ると満天の星空が広がっている。
思わずカメラを持って忍び足で外へ出る。
こんなに星が輝く空は初めてだ。これはすごい!とカメラをテラスのテーブルに置いて、写真を撮る。
30分くらいは空を見上げたままだった。
まさかこんな星空が見えるとはなあ。尾瀬に来て良かった。来年もまた尾瀬に来たい、そう思える景色だ。
一度自室に戻ったが、5時前には起きようと思っていたので、下手に寝ると寝坊する可能性もある。
布団で横になりながら、うつらうつらとしていたら、次第に小屋の中が騒がしくなってきたので、私も外に出て、朝食まで待つことにする。
朝の尾瀬小屋。
5時頃にはもう明かりが灯り、小屋のスタッフが忙しそうに準備を始めている。
トリカブトの蜜を集める蜂。
よくわからんけどイモムシ。
雲に隠れた至仏山。
朝食。
この朝食もまた美味しい。しかしご飯は一杯だけにしておいた。
朝食を食べ終わったらすぐに出発して至仏山に登り、そのまま新幹線に乗って帰宅予定である。
全体の時間がシビアなので、早々に至仏山に登りたかった、のだが、昨晩から喉の痛みがひどくなってきて、夜寝付けない。
とりあえず山ノ鼻まで行って、登るか帰るか考えようと思っていたのだが、結局至仏山には登らずに帰ることにした。
尾瀬ヶ原を横断して山ノ鼻を目指す。
秋も近づいてきて茶色に色づく尾瀬の湿原。
奥に小さく東電小屋が見える。
後ろ髪を引かれる思いだが、仕方ない。
やっぱり良かったな~見晴、尾瀬。来年もまた来よう。
燧ヶ岳は見えるが、見晴の小屋は見えなくなり…。
竜宮小屋に到着。
こっちはヨッピ橋方面。
去年はこっちを歩いたのだが…。
こっちはアヤメ平方面。来年はアヤメ平と至仏山かな~。
竜宮小屋の十字路。
今回は直進して山ノ鼻を目指す。
時々振り返って燧ヶ岳を見ながら進む。
至仏山がだいぶ近づいてきた。
山頂付近はガスの中。
だけど、登ってみるのも悪くないかもしれないなあ、と思いつつ…。
山ノ鼻に到着。
少し考えたのだが、やはり体調も悪いし、目的の燧ヶ岳と会津駒ケ岳には登れたので、ここで帰宅とする。
もうちょっとこのあたりをブラブラしても良かったのだが、帰るのなら早いほうが良い、と考え、鳩待峠へ向かう。
鳩待峠についたら、ちょうど尾瀬戸倉に向かうバスの出発の時間。乗車券を購入し、バスのりばへ向かうと、ちょうどバスが発進したばかりだった。
運転手さんが私に気づいて、乗る?と聞いてくるので、乗ります!と即答し、バスのドアが開く。
そのまま尾瀬戸倉まで行ったはいいが、尾瀬戸倉から上毛高原駅行のバスは3時間後だ。
沼田駅行のバスは数本あるが、結局上毛高原駅まで行かないと、尾瀬夜行で取った復路の新幹線切符が使えない。
尾瀬戸倉で3時間ほど暇を潰し、上毛高原駅へ。
そのまま新幹線に乗って帰宅。
結果的に至仏山には登れなかったが、燧ヶ岳、会津駒ケ岳に登れたので満足。
泊まってみたかった見晴の小屋にも泊まれたし、夜は満天の星空も見れて、大満足。
やはり尾瀬は良い、という一言に尽きる。景色はもちろんのこと、小屋の前のベンチに座ってのんびりと過ごす時間、道中出会った他の登山者との会話、全てが良い思い出であり、至極の時間だ。
来年もまた尾瀬夜行に乗って尾瀬に来ているだろう自分の姿が浮かぶ。
きっと他の山域でも似たような体験は出来ると思う。しかし尾瀬は山に登らなくても良い。疲れたら湿原の木道を歩くだけで楽しい。
今から来年の尾瀬山行が楽しみである。