鋸尾根から大岳山、御岳山、御嶽山駅を歩く

更新日: 2024-02-23 19:50
奥多摩
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山行日: 2023年4月9日

今回は体力試しに奥多摩駅から鋸尾根を登って鋸山、大岳山、鍋割山、御岳山という縦走コースを歩きます。

これまで山を登る…ではなく山を歩くハイカーとして、家から近めの低山ばかり歩いてきました。まだまだ山を歩き始めて2年も経っていないし、山行日数は60日行くか行かないか、全ての山行が日帰りでしたので、体力の無さには自信があります。

計画を練る段階では自ずと累積標高差登り1300m、歩行距離20km以内、という目安をもとに計画を作っていたのですが、やはり累積標高差登り1300m以内というのは結構厳しい。ここも歩いてあそこも歩いて…とやっているとあっという間に超えてしまいます。例えば奥武蔵だと、名郷バス停から蕨山を経由して、有馬山、鳥首峠、大持山、子持山、武甲山、という縦走ルートを歩こうとすると1800mくらい登らないといけないわけです。

そういうわけで、今回は登り体力試しのルートとして鋸尾根から大岳山ルートを選んでみました。

登りはじめは奥多摩駅。奥多摩駅から少し歩くと愛宕山登山口につきます。

奥多摩駅から鋸山に登るには、まず愛宕山に登るのです。

ちなみに、奥多摩の山はほとんど歩いたことがなく、今までの奥多摩歴は恐らく武蔵五日市駅から日出山と、棒の折山から高水山くらいなもんです。奥多摩駅については、下車したのはこれが初めて。

奥多摩駅に着いた瞬間、一斉にダッシュで改札まで駆け抜ける人々。そんなに山が恋しいのか!?と思っていたのですが、行き先はトイレでした。まあ途中下車でトイレ行くと次の電車は30分後とか、そういう世界でしょうから、気持ちはわかります。尚、私はそれを回避すべく計画より一本早めの電車に乗るようにしております。そうすると途中下車してトイレ行っても到着時間は計画通りとなる…。代わりに睡眠時間が犠牲となります。

特に今回は私にとってハードなコースとなることが予想されたので、朝4時過ぎに起きて7時過ぎくらいには奥多摩に到着しました。

少しばかり九十九折りの登山道を歩くと早速最初の難関が待ち受けています。約180段ある階段です。

噂によると最も傾斜が大きいところで45度あるらしい。もはや壁。

この階段をまずは登ります。高所恐怖症の私にとっては結構な難関です。傾斜がきつすぎるし、階段も小さくてうっかり踏み外したらそのまま落ちていくんじゃないか、というようなところ。

絶対に振り返らないと決めて登りましたが、最後の20段くらいのところで傾斜がさらにきつくなっていた気がする。絶対ここは降りたくありません。登り初めてものの数分で撤退できなくなってしまった。

階段を登り終えて進むと戦没者慰霊塔。

左手に愛宕神社があったような気がする。

本来の道は真っすぐ進むようですが、途中崩落しているらしく迂回路ができています。

左に降りていく道を進みます。

左が切れ落ちているものの、ロープもあるし道幅も比較的広いので問題なし。

いよいよここが鋸山登山口です(たぶん)。

鋸尾根は痩せ尾根、岩場、梯子、鎖あり、とバリエーションにとんだ道でありまして、その手のアスレチックな道が好きな方にはいいんですが、私みたいな高所恐怖症には少し怖さがあるようなところでもあります。

が、危なそうなところには鎖があるし、梯子もしっかり固定されていてマジな危なさは少なかったと思います。こういうのは一度歩くと慣れて二回目からは大丈夫になるんですよ、たぶんね。

途中までは樹林帯の道をひたすら登っていくような道なんですが、尾根が細くなり始めると岩場に突入します。

ところどころ開けていてなかなか景色が良い。

麓の集落が見下ろせます。景色良いけど、こういうのは地味に怖いよね~

登ると天聖神社奥宮。昔は修験道だったりするんですかね、こういうのがあるのは。

なぜここに、こんな重たいものが…っていうのありますよね、山登ってると。

これはわかりづらいんですが、中央右下あたりに梯子があって、それを登って超えていくわけです。

また階段。やっぱり奥多摩だけあって、しっかりロープも張られてるし、階段もかけてあって非常に安心感があります。

これは最後の岩場。右に行くと鎖、左に行くと階段。

事前に調査していた感じだと、鎖でも全然行けそうだな、と思っていたんですが、既に十分過ぎるほど痩せ尾根・岩場を堪能し高所恐怖症のメンタルゲージは削られていたので階段ルートにします。

なお、これを超えるとあとはまた樹林帯の道に戻って普通の登山道になります。

しかし見晴らしが良いところがあってよいですねこの尾根は。

大ダワ林道は崩落が進んでいて徒歩でも通行が難しいらしい。

要はここからエスケープするには大岳山まで歩くか、御前山方面に行くしかないということです。

鋸尾根は登り一辺倒で途中から岩場になりますから、ザックを下ろしてゆっくり休憩できるところは限られております。なので、割と疲れるんですよね。まあ800mくらい一気に登るわけですから。

いよいよ鋸山に到着。

この時点で9時30分、奥多摩駅を出発したのが7時30分なので約二時間。やっぱりいつもより早く登山開始時間を設定しておいてよかった。まだまだ下山までの道のりは長いです。

YAMAPだと鋸山登頂者数は直近一か月で600~700人くらいとなっていたんですが、ここまで誰とも出会っていません。前の方に何人か登山者がいたんですが、あっという間にちぎられてしまい、その後追いつくことはありませんでした。

どうも大岳山から下山で鋸尾根を使うのが人気らしい。私は下山であの道は歩きたくないけど。奥多摩駅至近なので、確かに便利は良い。

鋸山からは一気に高度を下げた後はなだらかな稜線を通って大岳山に向かいます。

この道は明るい自然林でなかなかよい。右手には富士山が見えています。奥多摩っていいなあ~

大岳山手前の岩場。左側は切れ落ちているんですが、鎖があるんで安心。当然すれ違いは不可なので、通り始める前に向こう側から誰も来てないことを確認しましょう(といっても見えないので音でなんとか)

そんなこんなで大岳山に到着。まだ11時だというのに、山頂には大勢の登山者の姿が。

人気ですねえ。確かにこの眺めは最高です。この日は、前日は雨だったのですが、当日は晴れていて絶好の登山日和。雲もほとんどなく、富士山ビューが楽しめます。

たぶん中央の山が御前山かな?

もはや解説は不要。登ってよかった、と言える一瞬。

これだから山は辞められないんですね。

ご飯を食べて身支度を整えたら御岳山方面に下山します。

岩場は鋸山方面だけなのかな~と思っていたら、御岳山方面から登るのも岩場でした。だけどこっちは二足歩行で余裕な感じ。

あとはそのまま下っていくと大岳神社に出ます。なんか地元っぽい人たちが何やら準備をされていました。祭りでもあるんだろうか。

大岳神社から一段降りると大岳山荘。もう閉業しているらしいですが、建物はそのままになっている模様。営業してたら泊まってみたかったな~

でも中は荒らされてなくて、まだメンテされているような雰囲気を感じます。

再営業ないですかねえ。もう結構時間たってるし無理かな・・・

大岳山荘の前にトイレ。

とヘリポート。昔は荷揚げはこのヘリポートでやってたのかな。

ここからは少し岩場のある道を行きます。

すれ違いが難しいようなところもあって、ちょっと混み気味。悠長に写真を撮っている今はなかったので写真なしです。

ただ、鎖はあるし、道幅も言うほど狭いわけではないので、ちゃんとした靴を履いて慎重に進めば滑落するようなところではないと思う。

これは鍋割山とロックガーデンの分岐点、芥場(だったと思うのだが、もうちょっと進んだところかも?)。

左が鍋割山、右がロックガーデン。私はついでなので鍋割山に寄っていきます。ロックガーデンも気になる。

鍋割山の迂回路。

鍋割山に到着!

山頂では10人くらいが昼食を取っていました。鍋割山=鍋焼きうどんの茶屋がある印象だったけど、あれは丹沢の鍋割山か。

鍋割山奥の院?

鍋割山から大岳山方面は結構幅広の道だったのに比べて、御岳山方面はちょっと不安定。

道幅も狭いしすれ違い難しいところも多いです。

が、途中で見晴らしがいいところがあって、なかなかよかった。

途中からなんか賑やかな声がするなあ、と思ったら長尾茶屋で歌っている人がいた。

ここで休憩されている人も多かった。写真左手の道を登っていくと御嶽神社の階段に出ます。ここらへんからはハイカーの格好をした人より、普段着の人の方が多いかも。

なかなか賑わっていたので人気の観光地っぽい、御岳山。

ここだけ見たら、江の島っぽい雰囲気もある。

この階段もちょっときつかったけど、登りましたよ、せっかくなので。

なかなかの賑わいを見せる御嶽神社。外国人観光客も多かった。

ここで12時50分。予定より結構早く到着できました。

あとはケーブルカーの駅方面に町の中を歩いていきます。

食事処、お土産屋、甘味処、いろいろあって雰囲気が素晴らしい。今度はここでご飯も食べたいところ。

できれば宿坊も泊まってみたい。

ケーブルカーで帰ってもいいけど、せっかくなので歩いて下山してみます。

この道は住民の方が車で行き来するための道っぽいんだけど、軽自動車一台が通れるくらいの道幅しかないし、片側は結構な斜面だし、車運転するの結構怖そう。

歩いてすごいな、と思ったのは、ここに生えてる杉木、ものすごい太さなんですよ。奥武蔵で杉木はよく見てるけど、こんなに太いのはなかなかなかったですよ。

結構な頻度で運転されてるらしくて、歩いてたらちょうどケーブルカーが登って行った。

次回はケーブルカーで登るか~。

この後、ケーブルカーの滝本駅から御嶽駅まで歩いていったんだけど、途中自販機を見つけて、ザックを下ろしてのんびりファンタを飲んでたら、電車が間に合うかギリギリの時間になってしまい、ダッシュで駅に向かうはめになった。

滝本駅近くにケーブル下バス停があり、そこまではバスで移動できるので、それがおすすめ。車道を歩いて移動してもよいけど、交通量がそこそこある割に歩道がなかったりするので、少し危ない気がする。

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今回は体力試しだったものの、無事歩き切ることができて、これから立てる山行計画の幅が広がりそう。ペースは普段に比べると少し落ちていたけど、コースタイムは巻けたので、思っていたより全然良い結果だったと思う。

奥多摩はまだ登り始めたばかりなんだけど、これからも月一くらいは登りに来たい。鷹ノ巣山、川苔山あたりは興味がある。将来的には雲取山で小屋泊もしてみたいなあ。