積雪の塔ノ岳

更新日: 2024-02-23 21:44
丹沢
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山行日: 2024年2月10日

前々回、関八州見晴台から日和田山まで縦走したときに、スカリ山でお会いしたおいちゃん。

おいちゃんは雪が降ったら塔ノ岳!と強くおススメしており、私もちょうど雪が降ったらどこ行こうか考えていたので、提案に乗って雪が降ったら塔ノ岳へ登ることに決めたのである。

今回、ようやく雪が降ったので早速塔ノ岳へ、大倉尾根から登ることにする。

装備としてはいつものノマドパーカー、手袋などの基本的な防寒装備はそのまま。標高が上がるにつれ、積雪があるはずなので、10本爪軽アイゼン(モンベルのスノースパイク10)を持って行った。
結局、堀山の家あたりまでは軽アイゼン・チェーンスパイクなしで登れるが、それより上はあった方が断然安心。山頂付近までは軽アイゼン・チェーンスパイクなしで登られている方も少数いたが、下山についてはなかなか怖いのではないかと思う。
特に金冷やし周辺は痩せ尾根の部分もあり、ガッツリ雪が残っていた。そこを何もつけずに通過するのは可能かもしれないが、おススメはしない。


いつも通り渋沢駅から大倉行きのバスに乗り大倉バス停まで。バスはそれほど混んでおらず、まだまだ立ちで乗れるくらいには空きがあった。

今回は朝のんびりしすぎたせいで9時頃到着となってしまった。積雪があると少し歩くのが遅くなる傾向にあるのだが、まあ過去のコースタイムを考えると大丈夫だろう。


堀山の家までは軽アイゼン・チェーンスパイクなしでも問題ないとはいえ、道の脇には雪が軽く積もっている。


日陰は多く雪が残っていて、一部滑りやすくなっているところもあった。


早速堀山の家に到着。
このあたりは雪はそれほどないが、ここから花立山荘に着くまでで一気に雪が増える感じ。



堀山の家から進んでいくと雪が増えてくる。
このあたりで軽アイゼン・チェーンスパイクを付けた人が増える感じだった。


下山はスキーみたく、階段横を滑って降りていく人たち。


私は階段を登り切ったところにあるベンチで軽アイゼンをつけた。
この靴にスノースパイク10をつけるのは初めてなのだが、これがなかなかどうしてうまくいかない。

歩いているとどうしてもスパイクが伸びてきてつま先のあたりに隙間が出来てしまう。
引き締めが足りないのかな?と思って2回くらい、ベルトを外して締めなおしたが、やはり歩いているとズレてしまう。


花立山荘手前の階段。ここは特に雪が積もっており滑って大変だ。


花立山荘。大勢の登山者がここで休憩しており、ベンチは全部埋まっている。
ここから先は特に雪が増えるので、休憩するならココ、という感じなんだろう。まあトイレもあるし、なんなら暖かい食事も食べれますからね。


富士山、今日は撮れないかな~と思って移動していたら地面に小さく雪だるまが…。
どうやらこれ、横から見るとアヒルみたいになっているらしい(ほかの登山者がアップロードしている写真見るとそんな感じだった)。


雲が多く、ベストコンディションではないが、眼下に街並みが見える。相模湾も見えないことはないが、大島までは見えない。


雲が少ないと奥に富士山が見えるんだけど…。


まあそれでもガスって一面真っ白よりかは全然良い。


右側に三ノ塔、奥に大山。山肌が雪で白くなっている。


大山のアンテナ。流石に登山者までは見えない。


こっちは三ノ塔から烏尾山への下り。


三ノ塔の休憩所。休憩所の近くに立っている登山者らしき姿が…。


花立山荘からそこそこ登ってまいりました。


金冷やし付近の痩せ尾根に突入。
ここらへんはかなり雪が積もっていて、軽アイゼンを付けている人が圧倒的多数。
なしで歩いている人もいたけど…まあやめたほうが賢明かと思われます。

というか、軽アイゼン・チェーンスパイクなしで歩いてる人の前後って歩きたくない。いつ滑って突っ込んでくるかわからないので。


パウダースノー…ではなく、表面はもうカチコチでした。恐らく一度表面は溶けて固まったんじゃないかな。


山頂に到着。
山頂もガッツリ雪が残っています。ここらへんは陽を遮るものがないので、早めに雪が解けるんじゃないかと思っていた。


雲がなければ奥に富士山が見えるのだが…。とはいえなかなかに雄大な景色です。


大山方面は真っ白。これ、こっちに流れてきたらホワイトアウトするんじゃない?と思っていたんですが、大丈夫だったみたい。


鍋割山方面。雪が溶けたら鍋割山に登ってみようかな。


座るところを確保するのは難しい。思いのほか登山者は多かった。


そういえば、今日は新しいレンズにC-PLフィルターをつけてきたんでした。
いつもはオリンパスの8-25mm F4 PROか、12-100mm F4 PROなんですが、今回は12-200mm F3.5-6.3を購入してみたのでそのレンズをつけてきました。
高倍率レンズは大好きなんですが、流石に山じゃマイクロフォーサーズ200mm(フルサイズ換算400mm)の焦点距離の超望遠は使い道がなかった。


こっちはC-PLフィルターをくるくる回して、効果が強くなったところ。
空の青さが全然違う。それ以外もコントラストがあがって写真全体がパキッとしたような印象があります。



さて、十分雪の塔ノ岳も楽しんだことなので下山することにします。


ピストンで大倉尾根を下るだけですが、流石に雪が多い。下りは登りとは違う怖さがありますな。まあ軽アイゼンつけてるからグリップ間が全然違うんだけど。


スノースパイク10は爪が長いので、岩っぽい道や木板の道にはあまり向かないと思う。
というのも、岩っぽい道だと爪と岩がこすれて金切り音がするのと、岩がスパイクを弾くので、足がしびれてくる。
あと、木板の道は爪が食い込んで抜けにくく、足を上げるのが重くなる。

チェーンスパイクはその点楽だけど、チェーンが足のしたにブラブラするので、気をつけないともう一方の登山靴の金具とかに絡まってコケるんですよね。私はそれでコケたことがあります。


金冷やしまで戻ってきました。ここで鍋割山方面へ歩いていく人も。

とりあえず花立山荘まで行ってしまえば安心なのですが、もう少しの辛抱。


鍋割山方面の縦走路。


歩いている人が見える。超望遠レンズはこういう時楽しい。


さてさて、もう少しで花立山荘。
ここからの眺めは相変わらず良い。


振り返って塔ノ岳の山頂付近を見てみるとまだ大勢の登山者が山頂にいるのがわかる。


このあたりは岩が多く、軽アイゼンをつけていると歩くのに難儀する。


ようやく花立山荘まで戻ってきた。
下山時もここで休憩している人は多い。


山荘前で6本爪軽アイゼンの忘れ物。


私は花立山荘で軽アイゼンを外したんですが、それはまだ早かった。
この階段が雪で滑りまくる。結構怖かったですよ。階段を下り終えたところで再び軽アイゼンを付け直しました。


この岩場のあたりも微妙に怖い。
結構雪が溶けてきていてシャーベット状になっており、余計に滑る。


堀山の家あたりまで行くと安心なのだが。もう少し。


結局、堀山の家で軽アイゼンを外し、そこからは斜度も緩むのでそそくさと降りてきました。
写真は丹沢ベースから表尾根。

今回は降雪の塔ノ岳でしたが、大倉尾根から登る分には危険個所が少なく、人も多いので比較的安心して登れるルートかなと思います。
例えば、奥多摩の大岳さんも人気の山ではあるものの、あのあたりは山頂周辺は岩の目立つ道となっており、雪がガッツリ降ったあとだと滑りそうで怖いかな~と思う。それに比べると塔ノ岳は歩きやすい。
景色も素晴らしいのでおススメ。ただし雪があると歩くペースは落ちるので、無雪期に余裕を持って登れる人でないと、途中で無念の撤退になりそうな気もする。

私は毎年、雪がふったら横瀬丸山に登っていましたが、来年からは塔ノ岳でも良いかもな~と思ったのでした。